ゲームセンターの「値上げ」難しい理由
大島さんの投稿を受け、ツイッター上では他のゲームセンターからも、電気料金高騰の影響を受けているという声が相次いで聞かれた。中には、電力使用量を減らしたにもかかわらず、昨年12月の電気料金が前年同月と比べて増加したという投稿もあった。
22年2月から続くロシアによるウクライナ侵攻の影響により、火力発電に使われるLNG(液化天然ガス)や原油などの燃料価格が高騰。電気料金の増加を招いた。事態を受け国は23年1月使用分から電気料金を補助している。しかし、東京電力や中国電力など大手電力7社は、家庭の多くが契約する「規制料金」を23年4月以降に値上げすることを国に申請。今後の家庭や企業の大幅な負担増加が見込まれる。
事業者にとっては、電気料金の上昇分をサービスの値上げでカバーするという選択肢も考えられる。しかし、大島さんはゲームセンター業態での値上げは難しいと話す。
「値上げをしたとしてもユーザーが1日に消費する金額が変わらなければプレイ回数が減るだけなので、かえってお店が寂しくなり逆効果になりかねません。そもそもコインオペレーションのため(1プレイ)100円を200円にするくらいしか値上げ方法がなく、非常に難しいです。電子マネーの導入もよく言われますが、導入費用だけでなく手数料等のコストがかかるため店舗にメリットがありません。現実的には売上増加が見込める機種を積極的に導入していくしかありませんが、リスクを伴います」
大島さんは店舗の存続に向け、ライブ配信サイト「Twitch」の支援機能やパトロンサイトを通じた運営支援を呼びかけていきたいとする。その上で、電力会社と国に「原発にリスクがあることはわかりますが、動かせるものは動かしてほしい です。電気代の負担は国民全体の問題なので、娯楽業である自分たちは国民生活が豊かになることが一番の支援策になります。(電気代の)値上げを先送りしてほしいです。原発稼働後に電気代が安くなる時に今の赤字を転嫁して今の国民生活を守ってほしいです」と訴えた。