今年3月に開幕するワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表を率いる栗山英樹監督(61)が2023年1月26日に会見を行い、出場メンバー30人を発表した。投手15人、野手15人がそれぞれ選出された。
「抑えを完全に固定するのか」
3大会ぶりの優勝を目指す侍ジャパン。代表には5人の現役大リーガーが名を連ね、豪華なメンバーが揃った。栗山監督は会見の席で今大会の目標を「世界一」とV奪還へ意気込みを見せた。
果たして侍ジャパンは世界の頂点に立つことができるのか。J-CASTニュース編集部は、13年WBCで日本代表の戦略コーチを務めた橋上秀樹氏(57)に分析してもらった。
橋上氏は13年大会の経験から「抑え投手を誰に固定するのか」をポイントに挙げ、「国内リーグで抑えを任されている松井選手、大勢選手、栗林選手らがメンバーに入っている。WBCの期間中、抑えを完全に固定するのか。それとも相手の打線を踏まえて変更していくのか。栗山監督の起用に注目しています」と語った。
13年大会では田中将大投手、前田健太投手、杉内俊哉投手、内海哲也投手らリーグを代表する投手が代表入りしたが、抑えを固定できず苦しんだという。大会3連覇がかかる重圧の中、日本は準決勝でプエルトリコに黒星を喫し世界一を逃した。
橋上氏は「大会本番に入ってからの好不調、ボールに対してアジャストできるかなどの問題もあり抑えは流動的でした。所属チームで抑えを担っていた選手を入れていなかったので先発投手が多く、中継ぎの経験がないような投手を中継ぎに起用せざるを得なかった。あまり良い形ではなかったですね」と振り返った。
そして「今回のメンバーはある程度役割分担が明確な陣容になっている」と指摘した。
「今まで一番レベルの高い大会になる」
先発・第2先発候補は、ダルビッシュ有(パドレス)、大谷翔平(エンゼルス)、山本由伸(オリックス)、佐々木朗希(ロッテ)、今永昇太(DeNA)、戸郷翔征(巨人)、宮城大弥(オリックス)、高橋奎二(ヤクルト)、高橋宏斗(中日)。
リリーフ候補は湯浅京己(阪神)、伊藤大海(日本ハム)、宇田川優希(オリックス)、松井裕樹(楽天)、大勢(巨人)、栗林良吏(広島)となる。
橋上氏は「抑えは経験が必要なポジション」とし、21年に行われた東京五輪で日本代表の守護神を務めた栗林に期待を寄せた。
「国際大会はボールの問題がある。これがピッチャーにとって一番大きな問題だと思います」とし、「栗林選手は国際大会を無難にこなした。球種が少ない大勢選手は、フォークを投げる時にボールをしっかり扱えるかどうか。ボールが合わなくてフォークが使えないとなると抑えはきついと思います。国際大会での経験を踏まえると栗林選手が抑えの筆頭になるでしょう」と解説した。
今大会は米国、ドミニカ共和国、プエルトリコなどの強豪国から多数の現役大リーガーが出場する見通しで熾烈な優勝争いが想定される。
橋上氏は「おそらく今まで一番レベルの高い大会になると思います。各国ナショナルチームにふさわしいメンバーになってくる。日本はかなり厳しい戦いになると思います。ドミニカにしてもアメリカにしてもかなり強力なメンバーでくるでしょうからそうなると簡単ではないと思います」と語った。