低温で固まったオリーブオイルは暖かい部屋に置いておくことで元通りになると、東洋オリーブ(香川県小豆郡)が情報発信している。この冬一番の寒波で冷え込む中、ツイッターでは知らなかったと驚く声が広がっている。
J-CASTニュースの取材に対し、同社は2023年1月26日、利用者の不安を少しでも解消したかったと述べる。
「カビでも、異物の混入でもありません」
東洋オリーブは1950年、オリーブ栽培が盛んな香川県小豆郡で創業した。同社のツイッター担当者は25日、オリーブオイルについて低温による品質劣化はないと説明した。
「オリーブオイルは、低温で固まりやすいオレイン酸の含有率が高いため、冬の寒さで10℃以下になると、成分が結晶して白く濁ったり、固まって見えます。問題ありません。自然現象です。低温による品質の劣化はありません。カビでも、異物の混入でもありません。どうぞ安心してお使いください」
続くツイートによれば、固まってしまったオリーブオイルは暖かい部屋にしばらく放置すれば元通りになる。同社の容器は湯煎も可能で、約40度で3分ほど温めるとすぐに使えるという。一方で、高温での湯煎や電子レンジでの加熱は品質劣化につながるとして控えるよう呼びかけている。
取材に対し東洋オリーブの広報担当者は、同社のオリーブオイルに限らず、食用や美容用オリーブオイル全般に通じる話だと説明する。実際に業界大手の日清オイリオグループ、J-オイルミルズも公式サイトで同様の呼びかけをしている。
凍らないものが「偽物」ではない
東洋オリーブの広報担当者は、凍りにくいオリーブオイルもあると補足する。オリーブオイルには、一般的な料理に用いられるエキストラバージンオリーブオイルだけでなく様々な種類がある。
「エキストラバージンオリーブオイル以外にも『オリーブオイル』はたくさん存在します。精製オリーブオイル(エキストラバージンオリーブオイルから色・香り・酸度をあえて取り除いたもの。揚げ物・炒めものなどに最適なオイル)、フレーバーオリーブオイル(ガーリックや柑橘類などと一緒に搾ったオイル)など。 白く固まらない=偽物、と言うつもりはございません」
オリーブオイルによってオレイン酸の含有率が異なるそうで、オレイン酸が比較的少ない精製オリーブオイルは固まりにくいという。とはいえ、極度に低温な場所に保管した場合にはほとんどのオリーブオイルが凍結する可能性があるとのことだ。
宣伝ではなく、安心を届けたかった
広報担当者によれば、毎年冬になるとオリーブオイルの凝固に関する問い合わせが多く寄せられる。日ごろからSNSで情報発信を続けているが、十分に伝わっていないと感じ、寒波の到来に合わせてツイッターのプロモーション機能で露出を増やした。
東洋オリーブのツイートは26日16時までに、約84万7000回表示され、6000件を超えるリツイート、1万900件を超える「いいね」が寄せられた。ツイッターユーザーからは「これ見るまで捨てるかぁって思ってたから良かった」「有難いプロモツイだ」などと感謝する声が寄せられている。
「今回、ツイートにあえて自社オイルが凍った画像を貼りませんでした。宣伝っぽくしたくなかったためです。あくまでお一人おひとりのご家庭でお使いのオリーブオイルについて、固まっても大丈夫ですよ、とお伝えしたかったのが理由です」
凝固したオリーブオイルの使用を諦めていたという声には驚いたという。担当者は、商品の適切な情報発信に努めながら、少しでも固まらないような保存方法の提案が必要だと受け止めた。
【重要】オリーブオイルは、低温で固まりやすいオレイン酸の含有率が高いため、冬の寒さで10℃以下になると、成分が結晶して白く濁ったり、固まって見えます。問題ありません。自然現象です。低温による品質の劣化はありません。カビでも、異物の混入でもありません。どうぞ安心してお使いください。
— 東洋オリーブ (@toyoolive) January 24, 2023