デヴィ夫人キーウ訪問、政府は退避求めるも... 駐日ウクライナ大使は対照的「彼女は勇敢で強い」

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   タレントのデヴィ夫人が2023年1月23日、ウクライナの首都キーウや、民間人虐殺があったことで知られる近郊ブチャの病院を訪れ、支援物資を届けた。報道関係者は多くキーウで取材しているが、日本の著名人による訪問はロシアによるウクライナ侵攻後初めてだとみられる。

   日本政府は、訪問を控えるように求める従来の立場を繰り返す一方で、ウクライナのセルギー・コルスンスキー駐日大使は、デヴィ夫人のキーウ訪問を称賛。岸田文雄首相のキーウ訪問検討を報じる記事や、岸田氏にキーウ訪問を求める声をリツイート(拡散)したりもしている。今回のエピソードをきっかけに、岸田氏のキーウ訪問実現に弾みを付ける狙いもありそうだ。

  • デヴィ夫人はウクライナを訪れて支援物資を届けた(2018年撮影)
    デヴィ夫人はウクライナを訪れて支援物資を届けた(2018年撮影)
  • デヴィ夫人はウクライナを訪れて支援物資を届けた(2018年撮影)

滞在している人には「安全を確保した上で、直ちに退避していただくよう勧告」

   デヴィ夫人のキーウ訪問は、共同通信が1月24日早朝に報じて明らかになった。共同では訪問の背景について「デヴィ夫人が運営に関わる財団が、在日本ウクライナ大使館に集まった支援物資の輸送費用捻出に協力したという」と報じている。

   松野博一官房長官は11月24日午前の記者会見で、

「日本政府としては、ウクライナ全土に退避勧告を出しており、国民に対し、どのような目的であれ、同国への渡航はやめていただくよう、また、既に滞在されている方は、安全を確保した上で、直ちに退避していただくよう勧告している」

などと発言。デヴィ夫人に対してもウクライナを離れるように求めた。ウクライナに対する支援のあり方については、次のように述べた。

「我が国としては、ウクライナおよび周辺国において、国難に直面するウクライナの人々に対する人道支援を重視し、ウクライナの人々に寄り添った支援を着実に実施している。本年のG7議長国としてリーダーシップを発揮しつつ、引き続きG7をはじめとする国際社会と緊密に連携しながら適切にニーズを把握しつつ、国難に直面するウクライナの人々に寄り添った支援を実施していく」

キーウ訪問をたたえる書き込みを大量にRT

   対照的な情報発信を続けているのがコルスンスキー氏だ。1月23日午前には、「Dewi Sukarno夫人が旅行へ。どこだと思う?」という一言とともに、羽田空港で撮影されたデヴィ夫人の写真を掲載。夫人は青いニット帽に黄色のマフラーという、ウクライナ国旗の色を意識したいでたちで、目の前には青と黄色のスーツケースが交互に計6個並べられた。

   キーウ訪問が報じられた直後の1月24日早朝には、デヴィ夫人が現地で記帳したり、支援物資を届けたりする写真とともに

「彼女は勇敢で強い」

とツイート。その4時間後にも、

「Dewi Sukarnoのような友人がいて、私たちはとても幸運です」

と書き込んだ。

   この間、コルスンスキー氏は、デヴィ夫人の訪問をたたえるツイートを大量にリツイート。その中には、岸田氏のキーウ訪問検討を報じる記事や、岸田氏のアカウントに向けて

「デヴィ夫人が、キーウでお待ちされてみえますよ」

と呼びかける書き込みもあった。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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