「悔し涙がボロボロ出た」 手足3本ない体で山登り、8時間かけ登頂も...僕が喜べなかった理由

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収穫だらけだった筑波山

   ただ、僕にとって良い機会になりました。力不足を痛感したし、モチベーションがめちゃくちゃ上がりました。悔しいからやめるのではなく、悔しいからもっと頑張る。筑波山の山頂から富士山が見えて、「必ず登るんだ」という気持ちは強くなりました。

   やらないといけないことも浮き彫りになりました。下山直後は今までにないくらい体が疲れて、足が上がらなくなりました。トレーニングを積めていないからだし、そもそも運動不足だと思います。かと言って、週5日フルタイムで仕事しているので、運動にかけられる時間も限りがある。だから、まずは日常生活の中で鍛えていきます。坂道を上るとか下るとか、長距離を歩くとか、1人でもできることを日々積み上げていかないと、8月に間に合いません。

   時間も課題です。想像以上に登山は時間がかかる。筑波山は息を整えながらゆっくり登ったけど、想定が甘かった。スピードアップし、行けるところはガンガン攻める気持ちでいないといけません。

   前回紹介したストックつきの義手は、杖の部分を太くしてもらいました。10月に金冠山を登った時、下りでストックに体重をかけると折れそうになったので。安定感が増し、体を預けても安心感がありました。

   絶対にあった方がいいのは間違いないけど、逆になくていい場面もありました。岩場を上がる時にはストックがつっかえてしまったんです。長さ調節はできるけど、もっと短くできるようにしてもらった方がいいかもしれません。それも実際に使って登山しないと分かりませんでした。

   筑波山の登山は収穫だらけでした。11月の1回目が雨だったことも、今考えると良かった。山の天気は変わりやすく、いつも晴れているわけじゃない。逆に晴れているからといって余裕を持ちすぎると時間が足りなくなる。悔しさを味わい、やる気が増したのも収穫です。富士山に向けて足りないこと、良かったことが数多く見える経験になりました。

(構成:J-CASTニュース編集部 青木正典)

   (1月23日13時30分編集部追記)見出しと本文の一部を修正しました。

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