阪神が春季キャンプの1・2軍メンバーを2023年1月19日に発表。プロ8年目を迎える高山俊は、2年ぶりの1軍スタートとなった。
かつて、「天才打者」と形容された男が背水の陣を迎えている。
1年目からスタメン、新人王獲得も...
明大で1年から外野のレギュラーつかみ、六大学リーグ通算最多の131安打をマーク。15年ドラフト1位で阪神に入団、新人の16年に134試合出場で打率.275、8本塁打、65打点で新人王を獲得し、明るい未来が約束されていることを疑わなかった。
難しい球をはじき返す打撃技術は「高山にしか打てない」と他球団の選手にも一目置かれ、当時DeNAのアレックス・ラミレス監督も実力を高く評価していた。
だが、2年目以降は持ち味の打撃で試行錯誤を繰り返し、外野の守備も不安定だったことからレギュラーを手放してしまう。21年は1軍出場なしに終わり、昨季も38試合出場で打率.189、0本塁打、0打点。
阪神を取材するスポーツ紙記者は「打撃フォームで色々な形を試したり、現状を打開しようと必死だが、天才肌の選手なので修正が難しい。岡田彰布監督の下で今年がラストチャンスでしょう。外野のレギュラーは右翼が固まっていないため、アピールしたい。得点力向上が課題の中で、高山が本来の輝きを取り戻して6、7番に入れば打線に厚みが増す」と期待を込める。
同期には吉田正尚、今永昇太...
大卒同期入団の選手たちは、華々しい活躍を見せている。吉田正尚はオリックスで首位打者を2度獲得するなど球界を代表する強打者となり、22年オフにポスティング・システムでレッドソックスへ移籍。DeNA・今永昇太も昨季ノーヒットノーランを達成するなど11勝で自身3度目の2ケタ勝利をマークし、今年3月に開催されるWBCで侍ジャパンに選出された。
大学時代は吉田、今永より名をはせていた高山も負けられない。悔しさを糧にはいあがれるか。(中町顕吾)