打楽器奏者が靴に求めていたこと
腰野さんは、演奏する時はその楽器に合わせて靴を選んでいるという。ヒールの高さがほとんどないものから高いもの、楽器に触れた際に音の出にくい材質のものなど、使い分けている。
「オーケストラの打楽器奏者は、とてもたくさんの種類の楽器を担当します。そのほとんどが立って演奏するものですし、楽器自体の高さを調節出来ないものもあります。特に欧米のメーカーの楽器は、小柄な私にとっては高すぎるものも多いのです」
ヒールの高い靴は音が出やすい。特にコンサートホールの舞台は、ヒノキなどよく響く木材で出来ていることもあるそうで、音の出にくい靴を求めていた。それだけではない。
「演奏中、立ちながら片脚でペダルを踏み、もう片方の脚だけで体重を支えるなどの楽器もあるので、ヒールが細いものは不安定で履けません。 そしてオーケストラの他の奏者はドレスやタキシード、燕尾服などのフォーマルな装いなので、打楽器奏者だけがカジュアルなわけにいかないのです。 『靴の音が鳴らず、安定感がある靴』というだけならたくさんあるのですが、そこへ『ドレスアップしたフォーマルな装いの中でも浮かない』となるとなかなか無く、今まで納得出来るものに出会えませんでした」
腰野さんの紹介ツイートは拡散され、20日19時までに約8000件のリツイート、約2万5000件の「いいね」が寄せられる大きな反響があった。他のツイッターユーザーからは「舞台袖を動き回る時に良さそう」「生徒の発表会やコンクールの付き添いなど何かと舞台上に出ないといけない時に重宝しそう」と関心を持つ声が寄せられている。