旧暦の大晦日にあたる2023年1月21日夜、東京タワー(東京都港区)で中国の旧正月(春節)を祝う点灯式が行われ、赤色にライトアップされた。春節にともなうライトアップは19年に始まり、今回が5回目。
例年はライトアップが行われることは事前に発表され、報道各社はライトアップの予定を報じていた。今回、国内の報道機関に告知されたのは前日の20日午前と直前だった。22年のライトアップでは、東京タワー周辺で反中デモが起きたことが影響したとみられる。
返還される「シャンシャン」にちなんだキャラが点灯スイッチ押す
中国では「ゼロコロナ」破綻で感染者が急増し、水際対策をめぐる日中の対立が続くなかでの春節シーズンの突入だ。「コロナ前」の19~20年の点灯式は、春節休暇で多くの観光客の来日を歓迎する内容だったが、21年から3年連続でコロナ禍の収束を願うメッセージが強調された。
点灯式では、上野動物園(東京都台東区)のジャイアントパンダ、シャンシャン(香香)の中国返還が2月に迫っていることを受け、中国のSNSで大人気のパンダキャラクターがシャンシャンに扮(ふん)して登壇。「日中平和・友情のシンボル・メッセンジャーとして人々に愛され続けたシャンシャンへ感謝の想いを伝える」という趣向の演出だ。同じく中国のSNSで人気のウサギのキャラクター「テン・テン」らとともに、17時30分過ぎに点灯スイッチを押すと、17段の階層に設置された268台のLEDライトがタワーを赤色に染めた。
モンゴル族シンガーの斯琴格日楽(スチン・グリラ)さんによるパフォーマンスも披露された。