阪神からポスティング・システムを利用して米アスレチックスに入団した藤浪晋太郎。現地時間2023年1月17日に本拠地・オークランドの球団事務所で入団会見を行った際は、流暢な英語でスピーチし、米国メディアから大きな拍手を受けた。
「昨季の夏場のような投球を披露できれば」
阪神を取材するスポーツ紙記者は、
「藤浪は他競技のアスリートと交流が広いように、自分が知らない世界に興味を示すタイプ。近年は思うような結果を残せなかったが、新天地でモチベーションは高いでしょう。食生活や環境で米国になじめない選手がいますが、大らかな性格なので問題ないと思います。日本球界で活躍続けてメジャー挑戦する吉田正尚(レッドソックス)、千賀滉大(メッツ)に比べると世間の期待値は低いですが、昨季の夏場のような投球を披露できれば十分に活躍できると思います」
と太鼓判を押す。
2年連続開幕投手を務めた昨季は16試合登板で3勝5敗、防御率3.35。この結果だけを見ると満足できないが、内容を見ると評価が変わってくる。
8月に1軍昇格以降は先発で安定した投球を披露。救援で投げた最終登板を除き、6試合先発して5試合で6イニング以上投げ切っている。8月13日の中日戦(京セラドーム)、同月20日の巨人戦(東京ドーム)はいずれも7回1失点の快投。2試合連続無四死球と制球難で悩まされていた面影がなかった。
「活躍すればステップアップできる可能性」
アスレチックスもこの投球内容を見て復活を確信しただろう。シーズンを通じて1軍で投げていないにもかかわらず、1年325万ドル(約4億2000万円)プラス出来高100万ドル(約1億3000万円)の契約内容を提示したのは期待の大きさの表れだ。
現地で取材する日本人記者は「アスレチックスで活躍すれば、強豪球団からさらに好条件のオファーでステップアップできる可能性がある。スプリングキャンプからアピールして存在感を示してほしいですね」と期待を寄せる。
野球の本場で、藤浪は輝きを取り戻せるか。(中町顕吾)
him: "Please, call me Fuji"
— Oakland A's (@Athletics) January 18, 2023
us: "okay ??" pic.twitter.com/dSyDIStFzb