プロ野球巨人の元投手で野球解説者の江川卓氏(67)が2023年1月17日にユーチューブチャンネルを更新し、巨人の戦力補強を分析した。動画は「巨人の戦力補強は成功か失敗か!?」などのタイトルで公開された。
「ちょっとびっくりですね。これだけ入れ換えをするというのは」
巨人は昨オフ、C.C.メルセデス投手(28)、マット・シューメーカー投手(36)、ルビー・デラロサ投手(33)、チアゴ・ビエイラ投手(30)、ゼラス・ウィーラー内野手(36)ら複数の外国人選手を自由契約とした。
メルセデス投手は昨年12月にロッテ入団が決まり、ウィーラーは現役を引退し巨人の編成本部長付特別補佐兼打撃コーディネーターに就任した。
メルセデス、ウィーラーらに代わる外国人選手として投手4人、外野手1人の計5人選手を獲得。国内では広島・長野久義外野手(38)、ソフトバンク松田宣浩内野手(39)らベテランが加入し、現役ドラフトでオコエ瑠偉外野手(25)を獲得した。
江川氏は「ちょっとびっくりですね。これだけ入れ換えをするというのは。冒険だと思います」と私見を述べ、次のように続けた。
「例えばメルセデスとかビエイラ、デラロサらと契約をしないということはそれを上回る選手を入れられるということなのか内部の人じゃないと分からないが、その中でこれだけの選手の入れ換えをするということですよね。それって基準がどこにあるのかがすごく難しい気がする」
「メルセデスの欠点は5回まで非常にボールが走るが...」
そして外国人選手の大量入れ換えを「冒険」と感じた理由について「ヤクルトは日本一にはなれなかったが、リーグ2連覇できた要因は2人の外国人(オスナ、サンタナ)であると思っている。その外国人の活躍。村上選手や山田選手ら他の選手ももちろんいっぱい活躍してピッチャーも頑張ったが、あの2人の存在が大きかった」と説明した。
また、ロッテに移籍したメルセデスに関して先発投手として一定の評価を与え、球団が放出した理由を独自に分析した。メルセデスは昨季先発ローテーションの一角を担い、20試合に登板して5勝7敗、防御率3.18を記録。5年間で通算29勝28敗。
「メルセデスの欠点は5回まで非常にボールが走るが、6回、7回、ちょうど一番大変な時にボールがガクンと落ちる。それを考えた時に、(球団は)多分それを嫌っているということなんでしょうけど。5回で先発ピッチャーが降りてしまうとリリーフ陣が4、5人いりますから」
巨人は昨オフ、フリーエージェント(FA)による戦力補強はしなかった。過去には積極的にFA戦線に参戦し、20年オフにはDeNAからFA宣言した梶谷隆幸外野手(34)と井納翔一投手(36)を獲得したが、ここ2年FA補強をしていない。
江川氏は「国内で誰かを取ってこようとしたときに場所(ポジション)がないですよね」とし、「他の球団は何人か取りたいところですからどこのポジションでももしかしたらレギュラーになれるという事があるがジャイアンツはない。そう考えると取ることに失敗したのかというと『ポジションがないから失敗ではないよね』という感じですよね」との見解を示した。