記者会見の手伝いを党員に頼まなかった理由
志位氏が共産党トップに就任したのは00年。それ以来の「長期政権」になっていることを、松竹氏は
「国民の常識からはだいぶかけ離れているということは言わざるを得ない」
と指摘。次のように話し、新陳代謝を訴えた。
「共産党の中には、実は能力のある人がたくさんいて、別に志位さんじゃなければできない仕事ではないのに、慣例で長くやってきた。自分が途中でやめたら『能力ないよね』と思われてしまうみたいな、何か思い込みというか恐怖感みたいのがあるのではないか」
ただ、「志位さんに退陣を求めるということを言ったことは、1回もまだありません」とも話し、公選制の主張は志位氏に対する退陣要求ではないとしている。
「私の場合は『党首選挙で堂々と議論をしあおうよ』、そこが目的なので、その結果として『やっぱり志位さんがいいよね』となる場合だって、もちろんある。その時に『退陣しろよ』みたいなことではない」
志位氏は23年1月10日掲載の読売新聞のインタビューで、「党の組織原則は『民主集中制』」だとして、
「党員が直接投票権を持つことは組織原則の精神と異なります。必ず派閥ができるからです。派閥間でばらばらなことを言うと、党として前進できません」
などとして党首公選には否定的な見解を示している。これは、1950年代に党が分裂した「50年問題」を背景に、党規約に「党内に派閥・分派はつくらない」と明記されていることを念頭に置いている。
松竹氏も、「共産党が分派についていろいろ心配する事情はわかる」。公選制を主張するにあたって、他の党員に相談することを避けたり、記者会見の手伝いも党員以外に頼んだりするなど、「分派」活動とみなされる可能性には警戒している。その上で、「公選制の主張=分派」との見方には、次のように反論した。
「党首当選はこれまでやったことがないのだから、『党首公選をやれば分派につながる』いうのは、そういう事実が過去、共産党の100年の間に一度たりとも起こったことではない。そういう点では、事実でない推論、推測で、こんな大事な問題の議論を終わらせてはならない」
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)