「誕生して数ヶ月の命。人害により奪われました」 奈良公園の小鹿「こつぶちゃん」死亡、支援団体がルール順守呼びかけ

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「人が来るたびに『かわいい』と触られ...」

   NARASHIKAの担当者はJ-CASTニュースの取材に、経緯を次のように話す。

   こつぶちゃんは12日昼ごろから具合が悪い様子で、夕方には座り込んだまま動かなくなった。保護施設「鹿苑」を運営する一般財団法人「奈良の鹿愛護会」の職員を呼ぶも、かろうじて動けたため様子見となった。

   不安が拭えず、NARASHIKAの代表理事が13日朝に愛護会の獣医師を呼んだところ、「かなり衰弱している」と保護して治療することになる。しかし14日朝に愛護会の職員が出勤すると、冷たくなっていた。

   こつぶちゃんは生後すぐに育児放棄されたとみられ、公園に足しげく通う人から気にかけられていた。

   NARASHIKAの担当者は「小鹿は一般的に春に生まれるのですが、こつぶちゃんは夏に生まれました。そのため体が小さく、痩せていて、目撃されやすかったです。『小さくてかわいい』と(生後まもなく)触られてしまったのではないか」と推測する。

   愛護会はSNSで「子鹿には絶対に触らないでください。子鹿に人間の匂いが付いてしまうと、お母さん鹿が子育てをしなくなります。お母さん鹿がいなくては、子鹿は生きていけません」と呼びかけている。県奈良公園室も動画サイトで、同様の注意喚起をしている。母鹿が小鹿を守るため人間を襲う恐れもあるという。

   担当者は「知らない人が大半だと思う」と問題提起し、公園内での掲示板やアナウンスなどを通じてルールを周知する必要性を訴える。

「小鹿を触る方は本当に多い。私たちは頻繁に奈良公園に訪れていますが、来園者は大人の鹿よりも小鹿に断然触りたがる。こつぶちゃんも弱っていたため動きがゆったりしていて、余計に触られていた。人が来るたびに『かわいい』と触られ、そのたびに注意していました。特に外国の観光客の方に多いです」
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