「うさぎさんが無断で持ち去られたことに非常に憤りを感じております」──。
吹田大宮高浜神社(大阪府吹田市)の境内に飾られていた「うさぎの置物」4体が、立て続けになくなっているとわかった。神職は警察に被害届を出したと取材に答え、経緯を明らかにした。
毎日なくなる置物...注意喚起もむなしく
高浜神社で起きた一連の出来事は、あるツイートをきっかけに拡散された。手水舎にあった「見ざる、言わざる、聞かざる」をモチーフとする3体のうさぎの置物が、2023年1月11日朝~13日にかけて毎日、立て続けに無くなったという。写真をみると置物は三方(供物に用いる台)に設置され、「福」と記された小石がいくつか納められていた様子が確認できる。
投稿者は返却を重ねて訴えるも、3体とも無くなり、警察に連絡すると報告した。投稿では、出口近くの切り株にあった「金色のうさぎ」の置物が11日までに消えたことも伝えられている。
高浜神社の神職は16日、計4体の置物がなくなったのは事実だとJ-CASTニュースの取材に認め、先の投稿をしたのは神社関係者だと明かす。「見ざる~」3体は1日に設置して11日7時半には確認できていたが、11時ごろに1体無くなっていると発覚。張り紙で返却するよう呼びかけていた。ちなみに、同日は「戎大黒祭 えべっさん」も開催されている。
金色のうさぎについては昨年の大晦日から置いており、なくなった時期は不明だという。
被害額は小さく「大事にするつもりは全然なかった」と前置きつつ、ツイッターで窃盗ではないかと指摘が寄せられたこともあり、地元警察に4体の被害届を14日に出し、受理されたと説明。ただ、設置場所に防犯カメラはなく、取材時点で進展はないという。
「多分悪気はないと思うのですが、戻して頂くように張り紙をしても1体ずつ無くなってしまってるのは凄くショックです。神様に対して不敬です。戻していただきたいです」
神職は「まさかうさぎを持ち去られるとは本当に思わなかったもので」と続ける一方、「こちらも三方に張り付ける等対策をしておけば良かったです」と反省の意を示す。
神職が書いた神社の公式ブログでも17日、経緯が報告され、「うさぎさんが無断で持ち去られたことに非常に憤りを感じております」と伝えられた。
「白昼堂々と...」続く災難に神職疲弊
神職への取材によるとうさぎの置物は複数あるが、4体以外は無事だという。しかし、このような盗難被害も生じていたと明かす。
まず、福の石をめぐって、販売開始前の昨年末に見本として境内の石像に置いていたところ、うち数個が毎日なくなるような状況だった。「小さな石と同じ感覚でうさぎも持っていかれたのかもしれません」と振り返る。
ほかには賽銭泥棒も。15日昼、「とんど祭」の開催中に賽銭箱からお金の入った封筒を盗っている者がいると目撃情報を受けた。警察を呼んで防犯カメラの映像を確認したところ、相手は1回のみならず、5分後に戻ってきて盗みを働いていたという。神職は「もう本当に、白昼堂々と...」と疲弊した様子をみせ、被害届を出したと述べる。