埼玉県鴻巣市の「こうのす共生病院」は2023年1月16日、診察時の音声をインターネット配信した医師がいたとして、出勤停止2か月の懲戒処分にしたと発表した。
配信は1時間半におよび、患者の個人情報も含まれていたという。医師は15日付で依願退職した。
「アプリを起動したまま眠ってしまった」
騒動の発端は、ライブ配信サイト「ツイキャス」での音声流出だった。
1月7日に、こうのす共生病院の医師とみられる人物が診察時の会話を生配信しているとの情報がSNSで広まり、病院は同日、「事実関係を早急に調査して参ります」と発表していた。
16日の続報によれば、配信時間は7日13時19分から14時56分までの約1時間30分だった。院内での救急外来診察や発熱外来の診察時の会話が収められ、8人の患者の氏名など個人情報も含まれていた。
医師は聞き取りに「休憩時間中に私用のスマートフォンの動画配信アプリを起動したまま眠ってしまった。救急車の受け入れ要請の病院内線電話で目が覚めたが、アプリが起動中であることに気づかず、そのスマートフォンをポケットに入れた状態で診察を行ったため、誤って診察時の会話音声が配信されてしまった」と説明したという。
病院側は「過失責任は重大」だとして、15日付で出勤停止2か月の懲戒処分を下し、医師は「責任をとりたい」とこの日に依願退職した。
こうのす共生病院の織田徹也病院長は「個人情報が流出してしまった計8名の方々には、当法人から個別に謝罪させていただきましたが、この場を借りて改めて深くお詫び申し上げます」と謝罪し、「改めて院内の就業規則を周知し、再発防止策を共有し徹底させていただきます」としている。