「産後半年で登山挑戦」日テレ番組の企画が物議 「理解なさすぎ」疑問続出も...専門家の見解は?

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   フリーアナウンサーの川田裕美さん(39)が、テレビ番組の企画で出産後半年ほどで登山したことに対し、ツイッター上で「ありえない」などと疑問が相次いでいる。

   ただ、スポーツ選手らについては、出産後に何か月かして激しいトレーニングを再開するケースはいくつか報じられている。出産後半年で登山をすることは、どのように捉えたらいいのだろうか。複数の専門家に聞いた。

  • 日テレ「沸騰ワード10」のサイト
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  • 「キツかった」と感想を投稿(川田さんのインスタグラムから)
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  • 「キツかった」と感想を投稿(川田さんのインスタグラムから)

「ちょっと私、疲れてきた」「やっぱり産後体調が」

   「フウ、ハー。ちょっと私、疲れてきた」。山道を登りながら、リュックを背負った川田さんがこうこぼす。

   日本テレビ系で2023年1月13日夜に放送されたバラエティ番組「沸騰ワード10」で、川田さんは、モデルの佐藤栞里さん、俳優の上白石萌音さんとともに、神奈川県伊勢原市などにある大山(標高1252メートル)に中腹から登った。

   川田さんらは、登山道の入口までケーブルカーで向い、終点にある大山阿夫利神社そばの登山口にある118段の階段を上がる。「うわー。ものすごい急だ、これ」と川田さんが思わず漏らすほどだ。

   その後、しばらく休憩してから、登山道を進んでいく。道を行くにつれ、川田さんは、疲れたとこぼすようになった。

「本当、久しぶりだし、やっぱり産後体調がアレかもしれない。産後初登山、体力がなくなっているかもしれない」

   もともと登山が趣味だとブログなどで明かしている川田さん。今回が1年ぶりの登山だといい、番組では、7合目で体力が限界に達したと伝えた。それでも、上白石さんに手を引っ張ってもらいながら登り、「せーの、よいしょ」と踏ん張る。「これは体に来るわー」と漏らしながらも、「頑張る! よし、行くぞ」と頂上を目指した。

   そして、2時間をかけて2人とともに山頂にたどり着くと、「わー、来たー、山頂だ」とガッツポーズで喜んでいた。

   こうした場面が放送されると、ツイッター上では、3人の健闘ぶりを讃える声とともに、産後半年での登山に疑問の声が次々に寄せられた。

「激しい運動は控えて」「科学的根拠ない」と意見が割れる

「産後への理解なさすぎる」「まじで可哀想だった、、」「本当に労ってあげてほしい」「私だったらキレて1人で下山しちゃう。。」

   番組の放送後、川田さんは、ブログなどで「楽しかったなぁ」と報告しながらも、「出産してから初めての登山は、とってもキツかった〜!体力つけなければ」などと明かしていた。

   産後ケアに取り組むある団体の担当者は1月16日、J-CASTニュースの取材に対し、産後半年での登山にこう意見した。

「出産は、交通事故などに例えれば、女性の身体が全治2か月のダメージを受けたぐらいになります。しっかり養生しなければならず、激しい運動は控えた方がいいです。登山は、なかなかできることではありませんので、産後半年でこのように動けると周知されると困りますね」

   川田さんについては、「トレーナーを付けるなどして、ものすごくトレーニングされたのではないかと思います。一般の人では、とても難しいと思います」と感想を話した。

   一方、ある公立大学の産科婦人科教授は16日、取材に対して違う見方を示した。

「個人差がありますので、産後半年での登山はダメといったことは特にないですよ。その方が登山をしたければそうしたらいいだけで、一般の人でも、半年も経てば運動に制限されることはありません。登山は、そもそも過酷なので、慣れている方がやっているのではないですか」

   ネット上で疑問が相次いでいることについては、「無理に登山をさせたら問題がありますが、母性神話的な話ではないのでしょうか。産後半年での登山はダメだという科学的根拠はありません。バッシングするのは過剰であり、体力が戻っていれば登山を禁止することはないと思います」と指摘した。

   専門家の間でも意見が分かれており、厚労省の担当課は16日、「産後の運動などについては、法律で規定しておらず、基準について示していることはありません」と取材に答えた。

   日本テレビの宣伝部にも取材しており、同日20時30分現在では回答が来ていない。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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