専門家「2020年から『HSPブーム』加速」
「HSP」という言葉が一般的に知られるようになったのは、ここ最近のことだ。
J-CASTニュースが国立国会図書館の蔵書検索サービス「NDL ONLINE」で調べると、タイトル名や目次などに「HSP」を含む本の数は、17年から22年までの6年間で約8倍に増加。中でも18年に出版された「HSP専門カウンセラー」の武田友紀氏による『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本』(飛鳥新社)は、累計60万部を超えるベストセラーになった。他にも、人間関係や子育て、漢方、貯金、ダイエットなど様々なテーマを題材にしたHSP向けの書籍が出版されている。
また、HSPの子供を指す「HSC(Highly Sensitive Child)」や、内向的だが刺激を求める「HSS(High Sensation Seeking)型HSP」といったHSPを細分化した言葉のほか、社交的だが刺激を求めない「HSE(Highly Sensitive Extrovert)」、社交的で刺激を求める「HSS型HSE」など、HSPと隣り合う概念も広まりを見せている。お笑いコンビ・ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんは、自身が「HSS型HSP」だと公表している。
メンタルクリニックの中には、HSP患者に検査による診断を行い、自己肯定感を高めるカウンセリングを行う「HSP外来」を開く医院もある。
心理学者で『HSPの心理学』(金子書房、22年11月30日発売)、『HSPブームの功罪を問う』(岩波ブックレット、23年1月13日発売)などの著書で知られる創価大学教育学部専任講師の飯村周平氏は22年12月16日の取材に、テレビなどが特集を行ったことをきっかけに、2020年に「HSPブーム」が加速したと考えられると分析する。