繊細気質「HSP」ブームの光と影 「生きやすくなった」の一方で...専門家が指摘する弊害とは

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「気にしすぎ」への理解で減ったケンカ

   ともやさんは「そんなこと気にしないで大丈夫だよ」とかほさんに声をかけていたものの、「あまり気にしすぎられちゃうと自分の気分も落ち込んで、悪い雰囲気になって、最終的にケンカになってしまうことが多々ありました」と振り返る。

   そうした中、2年ほど前にともやさんがSNSでHSPの特徴を取り上げた投稿を発見し、かほさんに教えた。「見れば見るほど自分に当てはまる」と感じたかほさんは、「すごくスッキリして、同じような気質の人がいっぱいいるんだなと感じました」と振り返る。その後、HSPに関する本を手に取り、日常の中で出来る「対策」をするようになったという。

「朝に暗いニュースを見ると、共感して一日中落ち込んでしまうので、見ないようにしました。また、家に日用品をストックしすぎてしまっていたので、Amazonの定期便を頼むようにしました。色々なことをいっぺんに考えると頭がショートするので、『やることリスト』を手書きで書くようにして、自分の頭を整理するようになりました。ともやと一緒に散歩やキャンプに出掛けたりして、『何も考えなくていい時間』を意識的に取るようにしました」

   かほさんがHSPだと自覚したことで、接するともやさんの意識にも変化があった。

「『なんでこんなに気にするんだろう』と考えていたものが、かほは『そういう気質』だからと理解するようになり、気持ちが楽になりました。ケンカの数も減り、より仲良くなっている感じがします」
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