芸能プロダクション代表と鉄道愛好家。一見、接点のなさそうな両者がSNSで激しい応酬を繰り広げている。
きっかけは、駅で撮影した1枚の写真だった。
ホームでパシャリ
芸能プロダクション代表のA氏は2023年1月12日、鉄道ファンとトラブルになっているとインスタグラムのストーリー機能で明かした。
所属タレントが、智頭急行智頭線・恋山形駅(鳥取県智頭町)の構内で写真撮影し、インスタグラムに投稿したところ(現在は削除)、迷惑行為だとして思わぬ非難を集めたという。
このタレントはホームに座り込み、線路側に足を出していた。恋山形駅は、"写真映え"すると有名で、全体がピンクに彩られている。写真の背後には、ハートで型取りされたホームの乗り場案内表示が写っていた。
A氏はコメント欄に寄せられた批判に直接反論したようで、やりとりの一部をストーリーで引用している。例えば往来危険罪に問われるのではとの指摘には、「線路に立っているわけでもなく電車の時間等確認して数枚このような撮影をしただけなのに鉄オタならそこら辺ちゃんと調べてから言ったらどうですか?」と返答し、ストーリーで「鉄オタって頭悪いの?笑」とコメントしている。
A氏のコメントによれば、タレントはカメラマンに指示されホームに座った。2人は線路に立ち入っておらず、時刻表も確認していた。
「やめていただかないと非常に困ります」
続くストーリーでは、「法律の知識もなにもないのにでたらめなこと言って(中略、タレントを)脅すのって恥ずかしくないんですかね?電車大好きすぎて電車しか見えてないんですかね?」と呆れかえり、「情報開示請求して身元つきつめて名誉毀損で訴えて平気?」と、暴論にもとづく中傷には法的措置も辞さない構えを示した。
鉄道会社はどのような見解か。智頭急行総務企画課は13日、J-CASTニュースの取材に、上記の写真は「問題だと感じます」と話す。
事前に取材依頼などがあれば、社員付き添いの元でホームでの撮影を許可する可能性があるという。しかしA氏の会社からは連絡がなく、12日に騒動を知らせる一般からの問い合わせで事態を把握した。
撮影自体は「弊社としても広めていただく分にはありがたいのですが...」と歓迎するも、「列車が来て、立ち上がれば事故にはならないかもしれませんが、そうはいってもそうした行為はやめていただかないと非常に困ります」とマナー順守を呼びかける。
恋山形駅は、普通車両、イベント列車「あまつぼし」、特急「スーパーはくと」「スーパーいなば」の4車両が走行する。列車が近づくと自動放送が流れる。時刻表は万能ではなく、「何らかの事情で列車が遅れることがあり、リアルタイムで広報できないこともあります」と理解を求めた。
芸能プロダクションにも取材を申し込んでいる。回答があれば追記する。