「この状態続けば廃業する」 消費低迷、凶作で市場縮小...和歌山の梅干し問屋が訴えた「危機感」

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凶作で市場が縮小...収穫量の安定課題に

「梅づくりは天候に左右されるもので、ここ2年は豊作ですが3年前(2020年)の凶作の影響が強く残っています。20年6月に収穫された梅は例年の半分ほどの量でした。開花シーズンに受粉のためのミツバチが飛び回る気温に達しませんでしたし、雨不足によって実も肥大化しませんでした。梅が足りなくなった結果、供給も十分できずに値段が上がってしまい、市場も縮小したところに2年間の豊作が続き原料が飽和しました」

   農林水産省の発表によれば、20年の梅の収穫量は全国で約7万1100トンだった。前年産に比べ1万7000トン(19パーセント)減少している。供給減で卸値も高騰し、20年は1キログラム当たり平均611円だった。1980年代から2019年までは、ほとんど200円から400円台だった。

   生田さんは、天候に左右されやすく収穫量が安定しないことを課題ととらえており、農園の拡大に力を入れるとしている。

「新しい品種の栽培や、栽培方法・有機農業など将来的に産地で試されるであろう農業を率先して取り入れ、負担なく農家に取り組んでもらえるための仕組みづくりを行っています」

   また若い世代にアプローチするために、新商品の開発にも力を入れている。前代表の生田昇司さんは開発好きだそうで、「元祖かつお梅」や「あまちゃづる梅」など、調味梅干しの先駆けとなる商品を生み出している。焼酎ブームになった際には、酎ハイ用の調味梅干しを作り、焼酎に梅干しをいれる楽しみを広めた。

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