ほどほどの応援ならいい、人生を見失わないで
そんな中で、今回の岡田奈々さんの熱愛報道が大きな話題を集めた。
けいすけ:岡田奈々さんって、AKBで一番か二番に人気があるメンバーで、僕の好きなSTU48を創設したメンバーなんですよ。STU 1期生のオーディションも、岡田奈々さんが秋元康さんの隣に座って、実は面接官やっているんです。秋元さんが瀬戸内観光の公的な機関とビジネス的なコラボをやって、そのうちに観光誘致するためのアイドルグループを作ろうって、瀬戸内の女の子たちをSTUに採用しました。ただ、核になれる子は必要だから、立ち上げたときから、AKBのエース格だった岡田奈々さんをSTUと兼任させたんですね。個人的に岡田さんをすごく好きだったわけではないんですが、身近な存在だし、AKBグループの旗頭だったにもかかわらず、裏側では、そんなに頑張っているわけではなかったのかなって。乃木坂46などの坂道グループとか韓国のK-POPグループとかを抜くぐらいもう1回AKBを盛り上げていく、ということに全力なわけじゃないんだなと。彼氏と付き合っているというよりは、新居を2人で探して一緒に住む、それで親にも紹介済み、と知って、残念だなとの思いがあったのが一番最初の感想です。そこから、延々と考え始めたんですね。
彼女に怒っているというのは、一切ないんですね。岡田さんというのはきっかけで、アイドルはオタクの疑似彼女だとどこかで思い込みながら、自分のプライベートを全部費やして追ってる自分から、怖くなって出ていくことにしたんです。僕の周りでは、友達とかも結婚していくし、家庭があったり趣味があったりします。僕は、仕事は普通にやっているんですけど、家帰ってプライベートになると、アイドルとサッカーとか自宅の園芸ぐらいで、ほぼほぼアイドルファンですね。何も積み上げて来てないな、っていうことに当然気づきますよね。本当にそれでいいのかなっていう思いは、あんまり認めなかったんですけど、あったかもしれません。
4時間歩いているときに、断片的に2ちゃんに思ったこと3行ぐらいで書いては投稿し、書いては投稿し、っていうのをやってたんですよ。最初は、奈々ちゃんの好きにしたらええわ、別におめでとう、と書き込むぐらいで、わりと冷静だったんです。それが、散歩していて空しくなり、AKBのグッズ売ろうかな、ファンのつもりだったが正直どうでもいい、と書くようになった。これまで思い込んでいたことを破られたってことは、ショックだったんです。ファンの勝手な妄想だと頭では分かりつつも、その現実に気づいた瞬間、じゃあなんで自分はこんなアイドルファンを14年間も全力でやっているんだろうと、すごく嫌悪感がありました。自分で、アイドルファンである自分を拒絶するみたいで、すごく矛盾しますが。
14年間を振り返って、けいすけさんにとって、アイドルとはどういうものだったのだろうか。
けいすけ:やっぱり楽しかったし、それで僕が頑張れた思い出とかもたくさんあるし、別に今も岡田さん含めて嫌いかというと、まったくそんなことはなくて、大好きです。その一方で、旅行費なども含めて14年間でグッズに2000万円ぐらいは注ぎ込み、こんな活動をずっとやっていた自分というのは何なのかと考えました。結婚も恋愛もせずに、特に建設的な趣味が他にあるわけでもありません。秋元康的な立場でもないのに、1ファンにできることなんか限られているのに、彼女らを成り上がらせるために必死に考えている自分は何やってんだろうな、とすごく感じました。わりと誘惑に流されちゃう人間なので、このままだとまた寝て起きたら、自分を見失っている自分にいつ戻るか分からないと思って、今回のツイートのようなことをしたということです。
僕は、もっと生産的にやりたいこともプライベートでたくさんあるし、挑戦したいことも仕事でたくさんあるんで、こんなことやっている暇はないんですよ。活動に時間を割いている場合じゃないなというのがあって、アイドルファンに戻りたくないですね。戻らないと思います。ファンの人たちには、「人生を見失わないようにして下さい」と言いたいですね。ほどほどに応援したりすると、それはやっぱり楽しいものです。アイドルファンってコミュニケーションを取れない変な人たちだ、などと酷いレッテルを与えられていますが、僕は、そうではないと思っていて、アイドルとファンの世間の中での立ち位置が上がるといいなという思いはあります。