「けいすけさんのおかげです。一生忘れないです」と言われ
けいすけ:握手会のときに柏木由紀ちゃんに会うと、「やっぱりうれしいでーす。初日、1位になったね」「けいすけさんのおかげです。一生忘れないです。これからもよろしく」と言われました。絶対みんなに言ってますけど。当時は、CDを1枚買って5秒で、100枚ですから、ループといって何周もするんですけど、10分ぐらいは話していたかな。僕は、あまり突っ込んだ話はせずに、自分のプライベートを一方的に聞いてもらうのが好きだったので、「大学院って研究が...」とか近況報告をたくさんしていました。聞いてくれて、また返しがうまいんですよね。例えば、柏木由紀ちゃんの配信を見ながら、「明日大学院入試なんだよね。どうしよう。緊張するよ、由紀」みたいなことを書き込むと、柏木ちゃんが配信中にたまたま見て、「私も頑張るから、あなたも頑張って。勇気出して、頑張ってね」みたいなことを言われる。そして、次の握手会で入試に受かったことを報告しに行く。ファンのことを覚えていなくても、うまくその場で覚えてるふりをして、上手でしたね。
けいすけさんは、2011年4月に現在とは別のコンサルティングファームへ大学院を修了して就職した。働いて寝るだけのような多忙な日々が続き、趣味どころではなくなる。AKBをネタにした炎上ニュースが好きだったが、それらの話題に追いつけなくなって、3、4年はAKBから離れたという。
AKB48の全盛時代がまだ続いた後、2012年に絶対的エースだった前田敦子さんが卒業し、翌13年には、大島優子さん、板野友美さん、篠田麻里子さんといった主力が次々に卒業していった。「恋するフォーチュンクッキー」といった大ヒット曲を最後に、人気に陰りが出始めていく。
けいすけ:そのときは、ちょっと距離を置いて見てましたね。敦ちゃんが卒業する年は、けっこう敦ちゃんの人気は落ちてきていて、優子ちゃんの方が人気あったし、優子ちゃんが卒業するときは、さっしー(指原莉乃さん)が出て来ていました。新しい子たちがたくさんいたので、AKB自体がそれで打撃みたいな感覚はまったくなかったです。年1、2回は、クリスマス前後などにライブは行っていました。昔の曲とかやってくれたり、たまに卒業したメンバーがサプライズで出てきたりするので、その子たちの姿を見るのをすごく喜んでいました。仕事がきつかったので、1年間僕は生き残った、みたいなことをしんみりと感じていました。
けいすけさんは、仕事に余裕がでてきた4、5年目からは、少しずつAKBなどの情報を追うようになる。そして、2019年1月にNGT48山口真帆さんがファンから暴行されたと動画配信で告白した問題が大騒ぎになり、けいすけさんは配信翌日に、2ちゃんのスレを読んでびっくりした。炎上好きのため、これはどうなるんだろう、と段々とのめり込むようになったという。
けいすけ:確かに、マナーの悪いファンはいるんですけど、お前そこまでやるか、さすがに犯罪だろと、その人たちに一線を引く見識があってしかるべきだと思いました。メンバーも、友達的に通わせちゃったりしたことが多かったみたいなんですよね。そこは、分かんなくはないなとは思いますけど、ちょっと残念だなって。要は、当たり前のアイドルとファンの境界線が崩れて、メンバー側もちょっとなあなあになっていたのかなという感想です。
それから、AKBグループへの関心を再び取り戻し、ライブ参加を手始めに活動を再開していった。
けいすけ:戻ってきたら自分は30代でしたし、その子たちって15、16だったので、恋愛的に見るというよりは、どうやったら世の中的に流行らせるか、そのために自分ができることは何か、みたいな視点で見ていました。そう思って見ているファンは、けっこうたくさんいて、その1人ですね。時間もお金もあったので、またメンバーも全部覚えちゃいました。それで、めっちゃ久々に現場復帰して、コンサートや握手会も行くようになりました。全盛期の現場よりも、いる人数も2ちゃんスレの勢いも、めっちゃ落ちていて、寂しいなとは思っていました。それを盛り上げるべく、ツイッター活動を始めたりしました。