ウェブメディア「VICE Japan」が行っている企画が物議を醸している。路上生活者が多く暮らすエリアがあることで知られる大阪市西成区で撮られた「ディープな写真」を募集するものだったが、ツイッター上では「西成に住むひとたちは見世物じゃない」「ありえない」などと批判の声が相次いだ。
同メディアは写真の募集を呼びかけたツイッターの投稿を削除している。
「何考えてるんですか?」
VICE Japanは米国、欧州、東南アジアなど世界各国で配信されているウェブメディア「VICE」の日本版。公式サイトではジェンダーやファッション、アートなど世界のニュースが日本語で掲載されている。
VICE Japanは2023年1月23日まで、大阪・西成区で撮られた写真作品を「Googleフォーム」を通じて募集。公式ツイッターは1月5日19時25分に「VICE Japanでは、皆さんが大阪、西成で撮影されたディープな写真を大募集。編集部によって選ばれた作品は、VICE Japanのウェブサイトとソーシャルメディアにてご紹介します。あなたのみる西成の世界をぜひ、VCIE Japanの読者と共有させてください」(原文ママ)と呼びかけた。ツイートには注射器が刺さった足の写真を添付していた。
また、VICE Japanのインスタグラムも同日、タクシーに横たわる下着姿の女性が映った写真とともに、ツイッターと同様の告知文を掲載していた。
西成区北部は「釜ヶ崎」「あいりん地区」の名前で知られ、日雇い労働者や路上生活者が多く暮らすエリアとして知られる。VICE Japanの投稿に、ツイッター上では「西成に住むひとたちは見世物じゃない」「何考えてるんですか?」「ありえない」「これをディープという神経がわからない」などと批判の声が相次いだ。
VICE Japanの公式ツイッターは6日17時30分までに、写真の募集を呼びかける投稿を削除している。