宮崎県が河野俊嗣知事の動静を、新型コロナウイルス感染を受けて一部書き換えるよう地元紙に求めた騒動で、知事はSNSでも当初、初詣などに行った事実を伏せていたことが分かった。
「正確な情報提供を第一に考えて対応すべきであった」
騒動が明るみとなったのは、県の地元紙「宮崎日日新聞」の2023年1月5日付記事「河野知事行動歴 宮崎県が変更依頼 陽性判明後『初詣削除を』」(ウェブ版)がきっかけだった。
宮崎日日新聞では、河野知事の動静を県の報告をもとに毎日伝えている。記事によれば、1日は当初「14:00宮崎市の宮崎神宮、県護国神社に初詣」と秘書課から報告があったが、翌日になって「知事がコロナに感染したので変更したい」と説明を受け、「終日、公舎などで過ごす」への書き換えを要請された。
宮崎日日新聞は要求には応えず、3日付紙面(2日は休刊日)で当初の動静を記載した。
感染判明後の「外出隠し」とも取れる対応に、SNSでは批判が噴出している。知事は5日夜、フェイスブックで経緯を次のように述べている。
22年12月30日から喉の痛みがあるも、25日に行われた県知事選で酷使した影響だと考え、コロナ陽性は疑わなかった。そのため、30日は県内で挨拶回り、31日は大祓式などへの参加、そして1月1日には初詣のため県護国神社を訪れた。外出時に濃厚接触者はいなかったという。
1日の夕方から倦怠感を覚え、2日の朝に発熱。抗原検査キットで陽性が判明した。
宮崎日日新聞への書き換え要請は、「初詣自体が知事の職務に関わるものではないことに加え、その過程で濃厚接触などが無かったことを踏まえ、県民に無用の不安を与えないようにという職員の判断もあってのこと」とするも、「県民の皆さまへの正確な情報提供を第一に考えて対応すべきであったと考えており、心よりお詫び申し上げます」と謝罪した。
陽性判明後の報道各社へのプレスリリースでも、初詣の記述は避けていたという。