包丁は全てチェーンで固定...寿司屋の安全対策が話題に なぜここまで?その理由は「立地」にあった

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空港ならではの営業形態

   包丁やハサミなどの刃物については、数やチェーンの状態など抜き打ちで検査があるという。さらには衛生面や消防設備についても、一般的な飲食店よりも厳しくチェックがあるそうだ。従業員は、出勤のたびに保安検査を受けている。

   このような厳しい制約がある中で、なぜ出店したのか。本宮さんは「空港という主要な交通機関内に店を構えることで多くの客が訪れること期待した」と話す。

「確かに普通の会社が出店するには厳しいかもしれませんが、こんなに良い立地はありません。駅もありますし、必ず人がいます」

   2011年9月に羽田空港で初めての寿司屋としてオープンした。親会社が築地市場でマグロを専門に卸売業を営んでいるため、マグロの味には自信があるという。営業時間は、飛行機の発着に合わせ朝6時半から夜の8時まで。店舗の目の前は搭乗口なので、客足は飛行機の大きさや発着スケジュールに左右される。

「客層は新規のお客様よりも常連客が多いです。ほかの店では調理する人と対面でお話しすることはできないと思いますが、又こい家ではカウンターでのコミュニケーションを大事にしています。好みのネタやドリンクを覚え、お客様に合わせてご提供しています。
『月に一回、出張で来るのを楽しみにしている』とお話しされるお客様もいらっしゃいます。搭乗時刻ぎりぎりで名前が呼ばれるまで飲んでいる方もいました」

   2020年に新型コロナウイルス感染症が拡大すると、飛行機の発着本数が減少し、客も減った。それでも出張で飛行機をよく利用する常連客が訪れていたという。国際線が中心の第二ターミナルにオープンした店舗はすぐに閉店してしまったそうだ。

「コロナ禍では常連客の方が多かったですが、先月半ばからは旅行割が始まった影響で新規のお客様が増えました。平日から列ができることもあります」
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