井上尚弥のSバンタム級ライバルは誰? 2人の全勝王者にネリ、亀田和毅も...金平桂一郎会長が展望する2023年

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   プロボクシングの世界バンタム級3団体統一王者・井上尚弥(大橋、29)が2022年12月13日に東京・有明アリーナでWBO世界バンタム級王者ポール・バトラー(英国、34)と対戦し11回KO勝利を収め悲願の世界4団体王座統一に成功した。

  • 井上尚弥選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)
    井上尚弥選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)
  • 井上尚弥選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)

Sバンタム級4団体王座統一戦はいまだ実現せず

   日本人選手として初めて世界の主要4団体王座を統一した井上。バンタム級を完全制覇した「モンスター」の次なるステージはスーパーバンタム級となる。井上は12年10月のプロデビュー以来負けなしの24連勝中(21KO)で世界戦は19戦全勝(17KO)だ。

   ライバル王者を次々となぎ倒し改めて「世界一」を証明した井上が、未知なるスーパーバンタム級でどのようなパフォーマンスを見せるのか。そして井上の前に立ちはだかる選手は出てくるのだろうか。J-CASTニュース編集部はプロボクシングTMKジムの金平桂一郎会長(57)に23年の展望を占ってもらった。

   スーパーバンタム級には現在、主要4団体の中で2人の世界王者が存在する。WBA・IBF王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン、28)とWBC・WBO王者スティーブン・フルトン(米国、28)だ。ともにプロデビュー以来全勝でアフマダリエフは11勝(8KO)、フルトンは21勝(8KO)の戦績を誇る。

   海外メディアで両王者による世界4団体王座統一戦の話題が持ち上がるもいまだ実現せず、フルトンは次戦で1階級上のWBC世界フェザー級暫定王座決定戦に出場する可能性もある。一方のアフマダリエフはIBFから同級1位マーロン・タパレス(フィリピン、30)との指名試合を課されている状況にある。

「井上選手はフルトン選手の方が嫌だろうなと」

   いずれにせよ井上の当面の標的は世界王者であるアフマダリエフとフルトンの2人になる。金平会長は、井上がこの2人のいずれかと対戦するとしたらボクシングスタイル的にアフマダリエフの方がやりやすいのではないかとの見解を示した。

「井上選手はフルトン選手の方が嫌だろうなと考えています。フルトン選手はボクシングの引き出しが多く、対戦相手にとって『勝ちづらい選手』です。アフマダリエフ選手はパンチがあってフィジカルも強く勢いもあるが、アマチュアあがりということもありボクシングが真っ正直なところがある。前提としてはもちろん強いけれども、どちらかといえばアフマダリエフ選手の方がやりやすいと思います」

   さらに「フルトン選手はフェザー級での暫定王座決定戦の話も浮上していますし、スーパーバンタム級のウエイトが厳しい状況にあると思う。それほど体が大きいということです」とし、「もし開催場所がフルトン選手の地元アメリカでフルトン選手の体重調整が上手くいけば井上選手は少し厳しくなると思います」と続けた。

   金平会長は、世界主要団体のスーパーバンタム級上位にランクされ、自身のジムに所属する亀田和毅(31)とルイス・ネリ(メキシコ、28)が今後のスーパーバンタム級戦線に絡んでくると指摘した。

「ネリはいわくつきの選手だが...」

   亀田、ネリともに元世界2階級制覇王者で、いずれもバンタム級とスーパーバンタム級を制している。亀田は21年12月にWBA世界スーパーバンタム級次期挑戦者決定戦でヨンフレス・パレホ(ベネズエラ、36)を判定で下しアフマダリエフの挑戦権を獲得。ネリはWBC世界スーパーバンタム級で1位につけ、WBOでは2位にランクされている。

   金平会長は「色々と評価をする向きはあるが、和毅は世界2階級を制覇したチャンピオンで現在はWBAの2位にランクされている。次期挑戦者決定戦にも勝っており、スーパーバンタム級戦線の一角を担うのに申し分のない選手だと思います」と語った。

   そしてネリに関しては「いわくつきの選手ではあるが、世界2階級制覇したチャンピオンですし世界王座陥落後は順調に世界ランキングを上げて上位につけている。スーパーバンタム級においてもあの攻撃力は脅威だと思います」と分析した。

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