2023年1月1日早朝、航空各社は「初日の出フライト」を運航した。その多くが、富士山や初日の出を眺めて、そのまま出発した空港に戻るが、例外なのがソラシドエア(宮崎市)のフライトだ。
記者が搭乗取材した同社のフライトは羽田空港を出発し、富士山と初日の出を鑑賞後は本拠地の宮崎空港に着陸。パワースポットとしても知られる青島神社(宮崎市)を参拝し、初日の出と初詣を一度にかなえた。
飛行ポイント「アルプス」を引き当てる
ソラシドエアの初日の出フライトは、就航15周年を記念して18年に初めて運航。コロナ禍の影響で21年は中止され、今回が5回目の運航だ。
往路のフライト「SNA2023」便(ボーイング737-800型機)は関係者を除いた乗客110人を乗せて6時過ぎに羽田空港を出発。機長は、22年に昇格したばかりで、ソラシドエアでは唯一の女性機長、上條里和子(りなこ)さんが(35)が担当した。横浜上空を経て、富士山の北西にある南アルプスの赤石山脈上空、17000フィート(5200メートル)で旋回しながら初日の出を待った。この飛行ポイントは「ALPUS(アルプス)」と呼ばれ、初日の出フライトで飛行を希望する航空会社は多い。各社は抽選で飛ぶ場所を決めるが、ソラシドエアがベストポジションを引き当てた。
おみくじを引いたり絵馬を奉納したり
6時45分頃、富士山の向こうから太陽が姿を見せ、機内に赤い光が差し込むと、乗客は次々に初日の出を写真に収めていた。その後飛行機は南西に針路をとり、渥美半島付近を経由して紀伊半島を通過。宮崎空港に到着した。
宮崎空港到着後は、3台の観光バスに分乗して、展望スポットとして知られる「堀切峠」を経由して、15分ほどかけて青島神社に移動。おみくじを引いたり絵馬を奉納したりして、新年気分を味わった。神社以外にも、周辺を取り巻く波状岩「鬼の洗濯板」が観光スポットとして有名だ。
この日、初日の出フライトはソラシドエア以外にも日本航空(JAL)や全日空(ANA)、フジドリームエアラインズ(FDA)などが羽田や成田空港、関西国際空港、中部国際空港発着便を運航した。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)