ドンペンが愛される3つの理由
チェーンストア研究家の谷頭さんは、今回の騒動について「最大瞬間風速的に盛り上がったと思えば、次の日にはほとんど忘れられているような騒動だった」とし、ドンペン自体が愛されるキャラクターであると証明されたと振り返った。
では、なぜドンペンは愛されるのか。谷頭さんは、(1)ドンペンが生まれた経緯(2)全国各地における自由な使われ方(3)偏った人々に愛される側面――の3点を指摘した。
ドンペンは、とある店舗の従業員が作ったオリジナルキャラクターとして生まれて全社的に広がった経緯があるという。谷頭さんは「企業が押し付けて生まれたのではなく、人々に根付いた形で生まれたキャラクターなので、愛されているのかなと思います」と話す。
日本各地の店舗で、その地域の偉人や名所に扮して展開されたり、ブランド品を身に着けたり、ダイエットコーナーではスリムな姿になったりするなど、ドンペンは自由な使われ方をしている。この「キュートな雰囲気」が愛されているのではないかと、谷頭さんは見解を示した。
さらに、東京・歌舞伎町の一角「トー横」に集まるコミュニティ「トー横キッズ」が、ドンペンをブランドアイコンのように使い始めたことが、ドンペンが人気になったきっかけの1つにあるという。
トー横キッズがドンペングッズを身に着けることで、新宿のドンキが大がかりなドンペンコーナーを展開し、こうしたグッズを積極的に売り込む動きが全社的に広がっていった経緯があると述べた上で、谷頭さんは次のように説明した。
「ドンペン自体に、ある種のアウトローな結びつきが結構強くあり、『病み系カルチャー』や『ぴえん系』のようなものとの結びつきもとても強いという感じがあります」