「車掌に異変」で30分超停車、原因は「抗アレルギー剤過剰服用」 救急搬送先で判明...京成電鉄説明

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   50代の男性車掌の様子に異変が生じ、電車が30分以上停車してネット上で書き込みが相次いだ騒ぎについて、京成電鉄は2022年12月28日、公式サイトのお知らせで調査結果を発表した。

   それによると、車掌は、抗アレルギー剤の過剰服用のため意識が朦朧としたという。同社では、騒ぎをお詫びしたうえで、今後は社員の体調管理について徹底を図るとしている。

  • 乗務員室の車掌(写真は、トリッピー@torio0814さん提供)
    乗務員室の車掌(写真は、トリッピー@torio0814さん提供)
  • 線路側のドアを開けていた(写真は、トリッピー@torio0814さん提供)
    線路側のドアを開けていた(写真は、トリッピー@torio0814さん提供)
  • 乗務員室の車掌(写真は、トリッピー@torio0814さん提供)
  • 線路側のドアを開けていた(写真は、トリッピー@torio0814さん提供)

車内マイクでの会話が「支離滅裂な感じ」と目撃者

   この問題では、千葉市内の京成千葉・千原線の西登戸(にしのぶと)駅で12月22日20時53分ごろ、車掌が急に体調不良になり、到着後に電車のドアが正常に開閉されない状態になった。

   ツイッター上では、車掌の様子に異変が起きたとの投稿が相次ぎ、中には、車掌が酒に酔って意味不明なことを話したと真偽不明の投稿もあった。

   これに対し、京成電鉄は23日、車掌が酔っていたとの情報については、乗務前のアルコールチェックなどから、J-CASTニュースの取材に否定的な見方を示していた。

   この電車に乗っていたという「トリッピー」(@torio0814)さんは同日、取材に対し、次のようにツイッターのダイレクトメッセージで答えた。

「京成津田沼始発20:34分発の電車だったんですけど、京成津田沼駅に停まってた時点で車掌とおぼしき男性が車内アナウンス用のマイクで運転手とのやりとりを話していた状態でした。その時の会話も支離滅裂な感じでなんなんだろうって感じで他の乗客も聞いていたのですが、異変が起きたのは次の幕張本郷駅で、駅に着いても電車の扉が開かない状況で、さっきの車内アナウンスで『鍵持って無いから開けれねーからっ』というやり取りが行われてまして、『鍵あったから』という会話の後にやっと扉が開いたと思ったら、今度は扉を閉めない状態になってそれが幕張、検見川、稲毛駅でも同じ状況でして、その時点で50分に京成千葉に到着予定の時間に間に合わない状況でした」

「指示された用法・用量を守らず服用したため、意識が朦朧」

   西登戸駅に電車が到着したときの状況については、こう答えた。

「扉が開いてそのまま開いたままの状態で何のアナウンスも無く10分以上放置されて痺れを切らした他の乗客が『アナウンスで説明しろ』って詰めよった所で初めて車掌の容体が悪く電車を発車させられる状態では無いとの事で、『京成津田沼駅から新しい車掌がタクシーで向かってるのでしばらくお待ちください』とのアナウンスが入りました」

   しばらく待ってから、トリッピーさんが西登戸駅の駅員に聞いたところ、体調不良のため「車掌の方は動かせる状態じゃない」と説明されたという。直接見に行って確かめようと、一番後ろの車両の乗務員室を見ると、車掌が何か物を食べているようにも見えた。なぜか線路側のドアを開けて何かをし始め、車掌に異変が起きている様子だった。

   京成電鉄はその後、28日になって、公式サイトに再度のお知らせを出し、原因を調査した結果を明らかにした。それによると、「当日、乗務員(車掌)は主治医より処方された抗アレルギー剤について、指示された用法・用量を守らず服用したため、意識が朦朧とするなど急な体調不良に陥ったことが救急搬送された病院の医師の診断により判明いたしました」とした。

   続いて、「ご利用のお客様には多大なご心配とご迷惑をお掛けいたしました」とお詫びしたうえで、「社員の体調管理に関しまして今後は尚一層の徹底を図り、安全・安心の確保に努めて参ります」と締めくくっている。

「車掌が服用したことについては、問題ないと考えています」

   それでは、車掌は、なぜ抗アレルギー剤を過剰に服用したのだろうか。

   この点について、京成電鉄の広報担当者は12月28日、「本人の証言で用法・用量を守らなかったことまで分かっていますが、なぜ守らなかったかについては確認しているところです」と答えるに留まった。どれぐらいの量をいつ服用したのかなどについても、まだ確認しているところだという。

   京成電鉄によると、車掌は運転関係の業務に従事しているため、乗務に問題のない薬の服用は認めたうえで、医師に言われた用法・用量を守るよう指示している。抗アレルギー剤については、本人がアレルギーを持っていることから、かかりつけ医に処方されたという。車掌は、自らが電車の乗務員であることをこの医師に申告したうえで処方されていたとした。

「飲んでもいい薬になっており、車掌が服用したことについては、問題ないと考えています。乗務の何時間前までに服用といった制限もありません。朝と晩に決まった量を飲むことになっており、服用状況について、詳細が分かり次第、車掌を処分するかなどについて決めたいと考えています」

   車掌は、トラブル後に救急搬送され、千葉市内の病院に入院していたが、すでに退院したと明かした。現在は、電車に乗務していないといい、今後については未定だとしている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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