俳優の福原遥さんがヒロインを務める、NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」は2022年12月28日、年内の放送を終えた。
航空学校編が終了した第12週以降、ツイッターでは「雰囲気また変わった」などと作風の変化を指摘する声が。「舞いあがれ反省会」というハッシュタグを用いた投稿の数も、航空学校編の放送時と比べて減少している。
※以下、ネタバレを含みます。
「航空学校編」以前の脚本家が復帰
同作は、ものづくりの町・東大阪市にある町工場で生まれたヒロイン・岩倉舞が、自然豊かな長崎の五島列島での暮らしを経て、周りの人と絆を深めながら空を駆ける夢に向かっていく物語。
第8週「いざ、航空学校へ!」から第11週「笑顔のフライト」まででは、「航空学校編」と呼ばれるパイロットを目指す訓練の様子が放送された。訓練生の同期・柏木弘明(目黒蓮さん)とは恋仲に発展している。舞は航空会社に就職内定したものの、リーマンショックの影響で入社が1年遅れることになった。
このころツイッターでは、コミカルなタッチで足早に進む展開や、キャラクター描写の変化を指摘する声が広がった。第7週まではメインライターの桑原亮⼦さんが脚本を担当していたが、航空学校編は嶋田うれ葉さんと佃良太さんが担当している。
航空学校編が終了した第12週「翼を休める島」から年内最後の放送となった第13週「向かい風の中で」では、前半を担当した桑原さんの脚本に戻った。ツイッターでは、馴染んでいた物語冒頭の雰囲気に近いように感じるとして歓迎する声が広がっている。
「今週はなんか懐かしい柔らかさだなあと思ったら桑原亮子さん脚本でしたか」
「脚本家さんが桑原さんに戻ったからかちょっとした仕草ややり取りが凄く良くて...好きだなぁ」
「桑原さんだから安心して観ていられる」
反省会タグは減少傾向に
「舞いあがれ反省会」というハッシュタグを用いた投稿の数にも変化があった。ドラマ名を冠した「反省会」タグは、ドラマへの疑問や批判などに言及する際に用いられる傾向がある。
今作に関する「反省会」投稿は、第7週までは1日100件以下だったが、第8週の初日である11月21日には1400件を超える投稿があった。翌22日には1900件を超える。第9週には500件程度に落ち着いたものの、その後は2週にわたって1000件を超える日があった。
メインライターの桑原さんが脚本に復帰した第12週は、再び一日あたり500件ほどに落ち着いた。初日の12月19日には、「航空学校編の真逆」「一つのドラマを三人の脚本家では色が違って話がつながらない!」などと再びの脚本家の変更に戸惑う声が多かったが、反省会タグを用いた投稿は日に日に減っていく。
年内最後の放送となった第13週では文字通り「向かい風」吹きつける厳しい状況が描かれているが、反省会タグを用いた投稿は、26・27日はそれぞれ約300件、28日は178件(同日16時点)にとどまった。
この週は舞が倒れた父を見舞いに東大阪へ帰り、実家の工場を手伝い始める。しかし経営不振が続いたため、工場ではパートの3人のリストラに踏み切った。去る3人は舞に仕事の難しさや矜持を伝え、工場を後にした。こうした工場の苦境を、舞から兄・悠人(横山裕さん)も知ることになる。
ツイッターでは、主要登場人物ではないのにも関わらずパートの3人の姿が印象的だったとする声が広がり、27日朝には一時「パートのおばちゃん」がトレンド入りを果たす。
「パートのおばちゃんにもものづくりの一員としての誇りとプライドがある。そこをちゃんと掬い上げてくれる脚本が好きだなぁ」
「ほんと何度も言いたくなるんだけど、わざわざ大きな事件を起こさなくても小さな日常の積み重ねだけでここまで人間やその関係を重厚に描けてしまう脚本力に毎日感服しています」
情報番組「あさイチ」(NHK総合)でも同日、出演する博多大吉さんが思わず「工場のパートのおばちゃんたち、予告編だけ見ると意地悪でしたが、ほんとにいい人たちで。これが今年最後の朝ドラ受けとは切ない...」とコメントした。