「いきなり『打ちやすいボールを投げてください』って」
海田投手はひとりでキャンプに出かけ、スマートフォンで他球団の選手が大幅な減額を呑んだという記事を確認すると複雑そうな表情を浮かべた。
「(電話)来なかったね。あと3日って感じだよね。そりゃ厳しいよ...」。翌朝には、「(バッティングピッチャーは)目先はおいしい話かも知れんけど、すごい献身するわけよ。球団とチームに対して。そこにやりがいを感じられるのか。そこかな。今まで打たれたくないボール投げてきて、いきなり『打ちやすいボールを投げてください』って、イメージが湧かない」と悩ましい胸中を語った。
バッティングピッチャーの誘いは断り、期限ギリギリまで待った海田投手だが、現役続行のオファーはなく引退を決断した。4歳の長男、悠壱くんに引退を報告すると、悠壱くんは「サッカーになっちゃうの? 何になっちゃうの?」と無邪気な返答。「(野球が)嫌いになっちゃったの? 嫌いになるの?」と心配そうな悠壱くんに、「好きだよ。悠くんとはずっと野球できるよ」とした。妻から「もう後悔はない? やり切った?」と問われると、海田投手は頷き「後悔なんてものは全くない」と晴れやかな表情を見せた。
28日の野球専門メディア「フルカウント」の報道によると、アマチュア野球の指導と並行して番組でも見せたキャンプ好きの知識を活かしたギアショップの開業を目指すという。