井上尚弥が去る世界バンタム級4つのベルトは誰の手に? かつてのライバル虎視眈々、実弟・拓真もチャンス

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   プロボクシングの世界バンタム級3団体統一王者・井上尚弥(大橋、29)が2022年12月13日、東京・有明アリーナでWBO世界バンタム級王者ポール・バトラー(英国、34)を11回KOで下し世界バンタム級4団体王座を統一した。

   悲願の4団体王座統一を果たした井上は、今後スーパーバンタム級に転向し新たなステージに挑戦する。井上がベルトを返上すればそれぞれの王座が空位となり王座決定戦により新王者が誕生する。「モンスター」がバンタム級を去った後、バラバラとなる4つのベルトは誰の手に渡るのか。

  • 井上尚弥選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)
    井上尚弥選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)
  • 井上尚弥選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)

モロニーはドネア戦熱望

   米ボクシング専門メディア「ボクシングシーン」(WEB版)は12月25日、エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ、30)がIBF王座獲得を目指していると伝えた。ロドリゲスは元IBF世界バンタム級王者で19年5月に行われたIBF・WBA王座統一戦で井上に2回TKOで敗れ王座から陥落した。

   その後、対戦を予定していたルイス・ネリ(メキシコ、28)が体重を超過して世界王座挑戦者決定戦が中止になるなどの不運もあり世界戦から遠ざかっていた。22年10月に再びチャンスが巡り、WBA・IBF世界バンタム級王座挑戦者決定戦に勝利し、井上への挑戦権を手にした。「ボクシングシーン」は、ビンセント・アストロビオ(フィリピン、25)とIBF王座を争う可能性が高いとしている。

   WBCは世界1位にランクされるジェイソン・モロニー(オーストラリア、31)が、同級2位ノニト・ドネア(フィリピン、40)との王座決定戦を熱望している。

   モロニーは20年10月に当時WBA・IBF世界バンタム級王者だった井上に挑戦し、7回KO負けを喫した。井上の強打を浴び強烈なKO負けだったが、21年8月の再起戦でWBCバンタム級シルバー王座を獲得。今年6月にはWBOインターナショナル王座を獲得し、WBC・WBOの2団体で世界1位にランクされている。一方のドネアは今年6月の井上戦(2回TKO負け)後リングから遠ざかっており、今後の動向が注目されている。

WBAは井上拓真にチャンスが

   WBAは井上の実弟・拓真(大橋、27)にチャンスが巡ってきそうだ。大橋ジムは12月15日付けで拓真が保持するWBOアジア・パシフィック・スーパーバンタム級王座を返上すると発表。バンタム級の世界戦に備えるためで、拓真はWBAバンタム級2位にランクされており、尚弥が王座を返上した場合、王座決定戦に出場することが決定的な状況にいる。

   WBOの最新世界ランキングの上位をみると、1位モロニー、2位ロドリゲス、3位アストロビオの順になっている。いずれも他団体での王座決定戦出場が予想され、井上が王座を返上した場合、4位以下の選手によって王座決定戦が行われる可能性が高い。井上に敗れた前王者のバトラーは6位にランクされている。

   井上の後釜を虎視眈々と狙うかつてのライバルたち。米国の権威ある専門誌「ザ・リング」のバンタム級最新ランキングでは王者・井上に次いでロドリゲスが1位にランクされ、2位にモロニー、3位にドネアが続き、変わらず高い評価を受けている。

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