人気キャラクター「すみっコぐらし」の子ども向け学習玩具を巡り、購入者がトラブルに見舞われている。
クリスマスプレゼントとしての需要が多かったためか、2022年12月25日以降、アクセス殺到で利用しづらい状況が続いている。いまだ遊べない子どももおり、購入者の一人は「クリスマス前にサーバの強化などして対応して欲しかった」と肩を落とす。
Android搭載
問題の商品は、子ども向け学習タブレット「すみっコぐらしWi-Fiでつながる!みんなとつながる!すみっコパッド 8インチ」だ。
玩具メーカー「アガツマ」が8月に発売し、通販サイトでは2万円前後で売り出されている。スマートフォン向け基本ソフト(OS)「Android12」の搭載が特徴で、Wi-Fi通信でメールの送受信やランキング確認、最新アプリの更新などができる。
アガツマは2022年12月25日、すみっコパッド専用サーバへのアクセス集中で、つながりづらい状況になっていると発表した。その後、緊急メンテナンスに入り、サーバへのアクセスができなくなった。
商品サイトによれば、初期設定としてWi-Fi接続、グーグルアカウント設定、システム更新、ユーザー認証、すみっコアプリダウンロードが必要になる。
アガツマは12月19日に、商品サイトで「初期設定にお時間を有する為、お子様へプレゼントされる前に初期設定を事前に行っていただくことをおすすめいたします。サンタさんからのプレゼントをお子様達に少しでも早く楽しんでいただく為、ご協力いただけたら幸甚に存じます」と呼びかけていたものの、十分に周知できていなかったとみられる。
「本人だけ遊べず悲しい思いをした」
アガツマは25日中に復旧を発表したが、翌日にふたたび緊急メンテナンスに。27日現在までに、「多大なるご迷惑をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます」との謝罪とともに作業完了を報告している。
しかし、タブレットに「『すみっコアプリ』が繰り返し停止しています」「認証できません」「IT管理者によりブロックされました」などと表示され、いまだ初期設定できないというユーザーは少なくないようだ。J-CASTニュースの取材に複数の購入者が答えた。
購入者の一人は、「クリスマスプレゼントで購入し、子供は楽しみに待っていた。兄弟が他のおもちゃで遊べているのに本人だけ遊べず悲しい思いをした。親としては、高額だが勉強などできると期待して購入したため残念」と落胆し、「徐々に改善されているようだが、もう少し早く対応すべき。丸2日かかっていてもいまだに遊べず、(問い合わせへの返答)メールの内容も不具合が起きている状況と合ってないので気持ちが解消されない」と事後対応に不信感を抱く。お客様相談室への電話が稼働日にもかかわらずつながらないなど、対応への不満を口にする人は複数いた。
別の購入者は「クリスマスプレゼントは子どもにとって特別なものだと思います。それらを踏まえて今後このような事が起きないよう、お願いしたいです」と要望する。
アガツマのマーケティング部担当者は27日、取材に対し、いまだ続く不具合は把握していると答えた。「サーバのメンテナンスは終了しましたが、順番に認証作業などを進めている状況です」と進捗を明かし、詳細については「ホームページで公開している以上の情報はお話しできない」とした。