自民党の小泉進次郎衆院議員が2022年12月26日、国会開会中に各官庁から寄せられた紙の束の写真をフェイスブックに投稿し、ペーパーレス化が進まないことを嘆いた。
国会では質問主意書や議事録をペーパーレス化する動きが進むが、官僚が議員に説明(レク)する際の「紙媒体」は、なかなか減らないのが現状だ。
「届ける職員の労力+捨てる事務所側の労力+紙とクリップの無駄遣い」
小泉氏の書き込みは、
「議員会館の年末恒例の景色。霞が関の各省庁から予算や政策資料が大量の紙とクリップで届きます」
と始まり、紙を使うことの無駄を訴える内容だ。
「読まないものも多いのに...。届ける職員の労力+捨てる事務所側の労力+紙とクリップの無駄遣い。来年はこういう地味なところも確実に改善される政治行政にしたいです」
投稿には、「いいね!」「大切だね」など賛同する反応が約880件寄せられている。
18年(平成30年)には、小泉氏も事務局長として参加した超党派の「『平成のうちに』衆議院改革実現会議」(会長:浜田靖一衆院議員)が「衆議院のIT化」などを求める提言を提出。当時の発表によると、「実現会議」の会合では次のような意見が出されたという。
「予算案、法律案、条約案などの議案、官報、議院広報、委員会会議録、質問主意書等も今は議院規則で印刷物を配布しているが、ペーパーレス化に向けて、議院規則の改正を早期に実施すべき」
「法案等の審議資料は、イントラネットに掲載し、本会議場や委員会に設置する端末から確認できるようにすべき。また、将来的には、各議員のタブレットから閲覧できる方法も検討すべき」
「質問通告や質問主意書も現行のファックス主流のやり取りから、原則ペーパーレスでの提出にすべき」
「委員会の質問でボードやパネルを作るが、それも電子媒体にすればよい」
コロナ禍で「オンラインで議員レクができる」割合は増加したが...
後に衆議院規則が改正され、議事録や質問主意書、答弁書などは印刷する必要がなくなった。ペーパーレス化は一部は実現したものの、まだ道半ばだ。それは官僚が議員に行う「レク」でも同様だ。働き方改革のコンサルティングを行っている「ワーク・ライフバランス」が21年3~4月に国家公務員を対象に行った「コロナ禍における中央省庁の残業代支払い実態調査」によると、「オンラインで議員レクができる」と答えた人は前年の17%から69%に大きく伸びている。
コロナ禍でオンライン化が進んだとは言え、それでも対面でのレクを求める議員が相当残っていることが分かる。対面での説明には「紙媒体」を要求する議員もいるとみられ、それがペーパーレス化の障壁になっている面もありそうだ。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)