プロボクシングの元WBO世界バンタム級王者ジョンリル・カシメロ(フィリピン、33)が、次戦で世界2階級制覇のルイス・ネリ(メキシコ、28)との対戦を求めていると地元フィリピンメディアが2022年12月25日に報じた。
カシメロは12月3日に韓国・仁川で行われたスーパーバンタム級10回戦で世界ランカーの赤穂亮(横浜光、36)と対戦した。
無効試合から一転、カシメロのKO勝ちに
試合は初回にダウンを喫したカシメロが2回に入って猛攻。力強いパンチで赤穂を追い詰め優位に進めたが、2回途中にカシメロが放ったパンチが赤穂の後頭部を直撃し試合が一時中断。休憩をはさむも赤穂のダメージは回復せずレフリーが試合続行不可能と判断し無効試合となった。
ところが主催の「トレジャー・ボクシング・プロモーション」が12月21日にツイッター上で試合結果が変更されたことを発表。試合を管轄した韓国ボクシングコミッション(KBM)が、無効試合を取り消しカシメロの2回KO勝利に変更したという。
フィリピンメディア「RAPPLER」(WEB版)は12月25日、「ノーコンテストの試合がKO勝利に変わったためカシメロはメキシカンに照準を合わせる」と伝えた。
同メディアは、世界バンタム級4団体王座統一を果たした井上尚弥(大橋、29)を引き合いにカシメロの実力に言及。「カシメロは赤穂に勝利したが井上のレベルにはまだ達していない」と辛辣に評した。
さらに井上の共同プロモーターであるトップランク社のボブ・アラムCEOが「(スーパーバンタム級で)井上に勝てる選手が見当たらない」とコメントしたことを紹介し、井上がすでにスーパーバンタム級においてもカシメロのはるか先にいることを示唆した。
同メディアはカシメロの次戦についても言及しており、「カシメロ陣営は元世界2階級制覇のネリとの対戦を求めているとみられる」と解説した。ネリは世界バンタム級、スーパーバンタム級を制し、21年5月にスーパーバンタム級王座から陥落。22年2月に再起し、現在スーパーバンタム級の世界ランクに名を連ねている。
カシメロはWBO世界バンタム級王者時代の20年4月に井上と対戦することが決まっていたが、新型コロナウイルスの影響などでタイトル戦は実現しなかった。カシメロはこれまで井上との対戦を求めて挑発を繰り返してきた。
Wow, what an upset! ??
— Boxing on BT Sport ?? (@BTSportBoxing) November 30, 2019
Johnriel Casimero stops Zolani Tete in the third round!
A huge shot put him down and the South African never recovered!#MidlandsMayhem pic.twitter.com/B4mp5wUSKI