京成電鉄の車掌の様子に異変が生じ、電車が大幅に遅れたと、ツイッターで投稿が相次ぐ騒ぎがあった。
京成電鉄は、「急な体調不良」があったと、公式サイトでお詫び文を出した。中には、「酔っていた」との真偽不明の投稿もあったが、電鉄側は、取材に対し、飲酒には否定的な見方を示した。
西登戸駅に到着すると、ドアが開かない状態に
車掌のトラブルは、千葉市内の京成千葉・千原線の西登戸(にしのぶと)駅であり、2022年12月22日21時ごろからツイッターで次々に報告された。
それらによると、車掌の様子に異変が起き、電車のドアが正常に開閉されなかったともいう。車掌が乗務員室で線路側のドアを開けたり、ワイシャツをズボンから出したりしている姿を写したとした写真の投稿もあった。
車掌が酒に酔って意味不明なことを話した、無線などで怒鳴っていた、とするツイートもあり、拡散してまとめサイトも取り上げる騒ぎになった。しかし、疑問や批判も相次いだためか、翌23日昼過ぎ現在は、これらのアカウントは非公開になっている。
このトラブルについて、京成電鉄は23日、公式サイトにお知らせを出した。
「西登戸駅における列車遅延について」と題して、22日20時53分ごろ、車掌が急に体調不良になり、運転再開まで30分以上がかかったと明かした。そのうえで、「体調不良の原因については現在調査中であり、わかり次第改めてお知らせいたします」「ご利用のお客様には多大なご心配とご迷惑をお掛けいたしましたことを深くお詫び申し上げます」としている。
京成電鉄の広報担当者は23日、J-CASTニュースの取材に対し、当時の状況を説明した。
それによると、下り線の京成津田沼発千葉中央行き普通列車が西登戸駅に到着すると、ドアが開かない状態になった。
「アルコールチェックで異常なく、救急隊員も飲酒に否定的」
運転士が電車の最後尾で乗務していた50代の男性車掌を見に行き、その状況を確認して、乗務は難しいと判断した。車掌はその後、救急搬送され、代わりに、別の車掌が京成津田沼駅から駆け付けた。
電車は現場に36分間にわたって停車し、車掌交代を受けて運転再開した。このトラブルで、上下線で8本が運休し、9本に最大34分の遅れが出て、約1000人に影響が出た。
車掌が酒に酔っていたとの情報については、否定的な見方をした。
「乗務前のアルコールチェックでは、異常はありませんでした。救急隊員にお聞きしたところ、『酒に酔ったわけではないのでは』と話されており、おそらくお酒の臭いはしなかったのだと思います」
車掌に持病などがあったかについては、確認中だとしている。普段の勤務態度については、「問題があったとの報告は来ていません」とした。
線路側のドアを開けたり、ワイシャツをズボンから出したりしたとされたことについても、「まだ確認できていません」という。
意識の有無などの病状は、23日昼過ぎ時点では確認できていないという。車掌は、千葉市内の病院で治療を受けているといい、ヒアリングができていない状態だ。体調の回復を待って、本人からヒアリングするとしている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)