国際サッカー連盟(FIFA)は2022年12月21日、最新のFIFAランキングを発表した。ワールドカップ(W杯)カタール大会でベスト16入りをした日本は4つ順位を上げてアジア勢トップの20位となった。
ベント式「ビルドアップサッカー」に疑問符も
アジア勢はイランが24位、韓国が25位と続いた。イランはW杯グループBで3位に終わり決勝トーナメント進出を逃し、韓国は日本と同様にベスト16入りした。ブラジルが1位の座を堅守し、W杯優勝のアルゼンチンが順位をひとつ上げて2位となった。決勝戦でアルゼンチンに敗れたフランスが3位に入った。
最新ランキングの発表を受け、韓国メディア「STNTV」(WEB版)が23日に特集記事を公開した。
韓国は前回の28位から順位を3つ上げての25位。同メディアは代表を4年間率いたパウロ・ベント監督(53)の功績をたたえ、ベント監督と歩んできた代表の4年間を振り返りながら独自の視点でランキングが上昇した要素を分析した。
同メディアによると、ベント監督が18年に就任してから代表は4年間で合計57試合を行い、35勝9敗13分けで高い勝率を記録した。35勝は歴代の代表監督の中で最多となるが、就任当初はベント式「ビルドアップサッカー」に疑問符が付けられ、19年AFCアジアカップで準決勝進出を逃したことで批判の声が出始めたという。
4年間でFIFAランキング57位から25位へ
ベント監督は周囲の声にも動じず、その後も自身のサッカー哲学を貫きW杯アジア最終予選で代表は安定した力を発揮。7勝1敗2分けの圧倒的な成績で10大会連続のW杯出場を決めたとしている。
そしてW杯で韓国が12年ぶりにベスト16入りを果たし、FIFAランキングで25位となったのは、ぶれることなく代表を指揮したベント監督の成果であると指摘。ベント監督が就任した18年8月当時、韓国のFIFAランキングは57位で、この4年間でランキングを32も押し上げたと称賛した。
同メディアは、韓国のFIFAランキングの過去最高は98年の17位だが、この4年間で着実に上昇曲線を描いてきただけに「今後トップ10入りも十分に可能な挑戦だ」と締めくくった。
韓国サッカー協会(KFA)は12月13日にベント監督の退任を発表した。ベント監督の今後に関して韓国メディア「朝鮮日報」(WEB版)は「ベント氏は(地元)ポルトガルで当分の間充電してから今後について考えると思われる」と伝えた。