高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
日銀「事実上の利上げ」は、黒田総裁の独断と考えにくい

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無理筋の防衛増税を押し込んだ岸田首相

   岸田政権は、防衛費増に対して、防衛増税を打ち出した。あまりに唐突であったので防衛増税については自民党内でも反対が多い。しかし、自民党税調の税制改正大綱には書き込んだ。

   結局、岸田政権は、財務省の言いなりで無理筋の防衛増税を押し込んだ。前回の本コラムをみれば、増税なしで防衛費を捻出することも出来るのに、増税をあえて選んだ。マクロ経済からみれば、増税も利上げも経済に悪影響で、このタイミングでやることではない。おそらく、黒田日銀総裁も、増税をする岸田政権を陽動作戦で側方支援しているのではないかとさえ思えてくる。

   黒田日銀総裁は元財務官僚で税畑であるので、基本的に増税指向だ。利上げは金融機関には恵みの雨であり、財務官僚も日銀官僚も多く天下っているので、身内の評判は悪くないことも背景かもしれない。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわ ゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に 「さらば財務省!」(講談社)、「『年金問題』は嘘ばかり」(PHP新書)、「マスコミと官僚の小ウソが日本を滅ぼす」(産経新聞出版)など。


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