ファクス&フロッピーはこんなに古い 米紙が「注釈」つきで紹介、日本の後進ぶりを指摘

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   米ワシントン・ポスト紙が2022年12月20日に河野太郎デジタル相の特集記事を掲載し、いわゆる「アナログ規制」撤廃に向けた取り組みを紹介した。

   記事では、「絵文字が発明された国でありながら、日本の官僚制度は依然としてアナログのまま」だと指摘。その象徴的な事例として紹介されたのがファクスとフロッピーで、それぞれに「電話回線を通じてメッセージを送る機械」「USBドライブの前身」という注釈がついた。注釈をつけなければ理解されないほどに古い仕組みだと受け止められているようだ。

  • フロッピーディスクなど特定記録媒体を指定する「FD規制」は2095条項が見直しの対象になった(写真はイメージ)
    フロッピーディスクなど特定記録媒体を指定する「FD規制」は2095条項が見直しの対象になった(写真はイメージ)
  • 「アナログ規制」撤廃を目指す河野太郎デジタル相(2021年撮影)
    「アナログ規制」撤廃を目指す河野太郎デジタル相(2021年撮影)
  • フロッピーディスクなど特定記録媒体を指定する「FD規制」は2095条項が見直しの対象になった(写真はイメージ)
  • 「アナログ規制」撤廃を目指す河野太郎デジタル相(2021年撮影)

コロナ患者発生届を手書き&ファクス「このアプローチの限界は非常に明白」

   記事は「ファクスとフロッピーディスク:日本の官僚機構はアップグレードが必要だ」と題して掲載。「ファクスとフロッピーディスク」の現状について

「公文書はしばしばファクス(電話回線を通じてメッセージを送信する機械)やフロッピーディスク(USBドライブの前身)で提出される。実際、何千もの政府規則が、このような20世紀の伝統的な機器の使用を義務付けている」

などと説明している。電子化が進まない背景についても

「日本にはデジタル通信よりも紙ベースのシステムの方が安全だという考えが政府関係者の間に根強くある」

と言及。新型コロナ患者の発生届を医師が手書きし、ファクスで保健所に送る仕組みになっていたことについては「このアプローチの限界は非常に明白だった」。感染情報の発表や補助金給付の遅れにつながったと指摘した。

   河野氏は記事の中で、「アナログ規制」撤廃の意義を

「自動車が登場して道路を舗装しようとしたとき、馬車を使っていた人たちが道路舗装に反対した。それでも、とにかく舗装しなければならなかった。それと同じことだ」

と述べた。

見直し対象の2割が「FD等記録媒体」関連

   「アナログ規制」をめぐっては、政府のデジタル臨時行政調査会(デジタル臨調)が12月21日、約1万条項についてデジタル技術などによる置き換えができるとして、見直しのための工程表を取りまとめた。このうち2095条項が、フロッピーディスクなど特定記録媒体を指定する「FD規制」に関するものだ。1万条項のうち約680条項については法改正が必要で、23年1月に召集される通常国会に見直し法案を提出する。岸田文雄首相は会合で、

「今後、この工程表に沿って、24年6月までの2年間で、アナログ規制を一掃する」

などと述べた。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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