米ワシントン・ポスト紙が2022年12月20日に河野太郎デジタル相の特集記事を掲載し、いわゆる「アナログ規制」撤廃に向けた取り組みを紹介した。
記事では、「絵文字が発明された国でありながら、日本の官僚制度は依然としてアナログのまま」だと指摘。その象徴的な事例として紹介されたのがファクスとフロッピーで、それぞれに「電話回線を通じてメッセージを送る機械」「USBドライブの前身」という注釈がついた。注釈をつけなければ理解されないほどに古い仕組みだと受け止められているようだ。
コロナ患者発生届を手書き&ファクス「このアプローチの限界は非常に明白」
記事は「ファクスとフロッピーディスク:日本の官僚機構はアップグレードが必要だ」と題して掲載。「ファクスとフロッピーディスク」の現状について
「公文書はしばしばファクス(電話回線を通じてメッセージを送信する機械)やフロッピーディスク(USBドライブの前身)で提出される。実際、何千もの政府規則が、このような20世紀の伝統的な機器の使用を義務付けている」
などと説明している。電子化が進まない背景についても
「日本にはデジタル通信よりも紙ベースのシステムの方が安全だという考えが政府関係者の間に根強くある」
と言及。新型コロナ患者の発生届を医師が手書きし、ファクスで保健所に送る仕組みになっていたことについては「このアプローチの限界は非常に明白だった」。感染情報の発表や補助金給付の遅れにつながったと指摘した。
河野氏は記事の中で、「アナログ規制」撤廃の意義を
「自動車が登場して道路を舗装しようとしたとき、馬車を使っていた人たちが道路舗装に反対した。それでも、とにかく舗装しなければならなかった。それと同じことだ」
と述べた。