中国が「ゼロコロナ」政策を大幅に緩和したことについて、中国外務省の華春瑩報道局長が2022年12月20日、ツイッターで持論を展開した。
行動制限に反発するデモが各地で相次ぎ、政策の転換につながったとみられているが、華氏はそういった点には触れず、これまでのゼロコロナ政策の正当性を主張。政策の転換は、コロナ対応と経済・社会の発展を調和させるために「政策を洗練させている」ためで、今後は「秩序ある成長の新しい段階」に入る、とした。
「国民の生命と健康が最大限に守られたことは事実が証明」
ゼロコロナ政策は、徹底した検査と厳しい行動制限が特徴。感染者が発見されると、その区域や建物が閉鎖されるなどした。上海では、22年3月末から約2か月にわたって外出制限が続いた。11月下旬から、行動制限に反発する抗議活動が相次いでいた。
こういった状況を受け、中国政府は12月上旬には全ての感染者を病院や隔離施設に移す措置をやめ、軽症者や無症状者については自宅での隔離を認める方針に転じた。省をまたいで移動する際の陰性証明も不要になった。
華氏のツイートでは、ゼロコロナ政策によって「国民の生命と健康が最大限に守られたことは、事実が証明している」と主張。さらに、「ゼロコロナ」の期間でワクチンや治療薬の開発、ワクチン接種のための時間をかせぐことができたとして、「全体として、この政策は最小のコストで最良の結果を得るのに役立っている」とした。
「秩序ある成長の新しい段階に入ることを確信」
「ゼロコロナ」政策の転換は次のように説明。国内で相次いだ抗議活動には言及しなかった。
「新型コロナの状況の変化を踏まえ、中国は新型コロナへの対応と経済・社会の発展とをよりよく調和させるために、政策を洗練させているところだ。中国国民の一致した努力により、経済と社会の事業がバランスのとれた秩序ある成長の新しい段階に入ることを確信している」
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)
Facts have proved that China's Covid response policy in the past three years has protected lives and health of our people to the maximum extent possible.
— Hua Chunying 华春莹 (@SpokespersonCHN) December 20, 2022