社内から「ヘイト本」指摘→回収発表の『中野正彦の昭和九十二年』 版元社長が騒動謝罪「ガバナンスの甘さが要因」

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「刊行における責任の所在が曖昧だということが発覚しました」

   イースト・プレスは18日、自社サイトで改めて書籍に言及した。永田和泉社長名義で、『中野正彦~』は「内容の表現手法の個性から、出版にあたりしっかりとした社内議論が必要であると考えます」とするも、「刊行に至るプロセスにおいて社内で確認すべき法的見解の精査や社の最終判断を得ることを行っておりませんでした。同時に刊行時においても契約書の締結が終了しておらず、刊行における責任の所在が曖昧だということが発覚しました」と回収理由を詳説した。

   確認が不十分だった原因は「社内決裁に対する現場の認識の甘さと怠慢」があったとして、樋口氏に謝罪。担当編集者と上長の責任に触れ、「注意指導すると共に社内規定に則った対応」をするという。

   また、「別の社員が社内で知り得た情報について、個人の考えを当該書籍刊行前に自身のTwitterに公開したことで、社内外たくさんの方々よりご心配の声をいただきました」とツイッターでのトラブルも取り上げ、「思うことがあったとはいえ、あのような一方的な言動が正しかったのか、著者や言われた側はもとよりこの件に関係のない他の社員、弊社に関わる様々な方々の業務にも影響が及ぶとの想像力がなかったのかと考えます。当該社員の行動に至った経緯を検証した上でこちらも社内規定に則った対応を行って参ります」との対処方針を示した。

   一連の騒動は「ひとえに一部社員の出版社に身を置くものとしての自覚の欠如、業務に対する意識の低さ、それを是正できなかった社のガバナンスの甘さが要因」だと捉え、「社の代表として改めて今の時代の出版社の在り方、編集者としての責任の深さを強く認識させていかねばとの思いでおります」としている。

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