年末年始の首都圏の主な鉄道事業者の運行予定が2022年12月13日、出そろった。3年ぶりの行動制限のない年末年始だが、大晦日の深夜から元日早朝にかけて電車を走らせる終夜運転の規模は、「コロナ前」には遠く及ばない。
逆に、21年末に行っていた終夜運転や終電繰り下げの規模を縮小したり、取りやめたりする事業者も出ている。コロナ禍で生活様式が変わって鉄道の利用が減り、運行したとしても利用が見込めないためだ。
終夜運転あるのはJR東日本、京成電鉄、京王電鉄のみ
「コロナ前」の19年末には、首都圏の11事業者のうち、西武鉄道以外の10事業者が終夜運転を実施していたが、20年末にはゼロになった。一度は運行予定を発表したものの、感染拡大で取りやめを改めて発表した会社も多かった。
21年末には、5事業者(JR東日本、京成電鉄、京王電鉄、東京メトロ、都営地下鉄)が終夜運転を部分的に復活。だが、行動制限がなくなった22年末には逆に規模が縮小し、特に東京メトロと都営地下鉄は終夜運転を取りやめた。
東京メトロは、21年末は銀座線の浅草~上野間で、15分間隔で終夜運転を行い、銀座線の上野~渋谷間と丸ノ内線の池袋~銀座間で終電を繰り下げた。これが22年末には単に「土曜日・休日ダイヤ」での運行になる。東京メトロ広報部では、「コロナ禍でご利用が少ないと想定されるため」だと説明している。
JR東日本は埼京線や高崎線で終夜運転やめる
都営地下鉄は、21年末は浅草線の一部で終夜運転、三田線と大江戸線は終電繰り下げを行ったが、22年末はいずれも取りやめる。21年末に9路線で終夜運転を行っていたJR東日本は、22年末は7路線に縮小。埼京線や高崎線の運行がなくなる。京成と京王は、21年末とほぼ同規模の運行を予定している。
終夜運転や終電の繰り下げはないものの、若干の臨時電車を走らせる会社もある。小田急電鉄は元日早朝、片瀬江ノ島行きのロマンスカーと普通電車を、それぞれ1往復させるほか、通常は藤沢が終点の普通電車の運転区間を、1本だけ片瀬江ノ島まで延長する。
東急電鉄は12月31日深夜、田園都市線、東横線で渋谷発の普通電車を1本ずつ走らせる。
多くの路線が、単なる「土曜日・休日ダイヤ」で運行される予定で、注意が必要だ。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)