フィリピンメディア「GMANEWS」(WEB版)が2022年12月9日、元WBO世界バンタム級王者ジョンリル・カシメロ(フィリピン、33)の特集記事を公開し、ボクシングアナリストがカシメロの今後の方向性を指南した。
1年4カ月ぶりの試合は無効試合に
カシメロは12月3日に韓国・仁川でWBO世界スーパーバンタム級8位・赤穂亮(横浜光、36)と対戦。カシメロにとってスーパーバンタム級転向後の初戦で約1年4カ月ぶりのリングだった。
試合は2回に赤穂のパンチでダウンを喫したが、すぐに立ち上がって猛攻した。流れを引き寄せたカシメロだったが、放ったパンチが赤穂の後頭部に当たり試合が一時ストップ。大きなダメージを受けた赤穂は回復せず、2回途中で試合終了となりノーコンテスト(無効試合)となった。
カシメロは21年12月に予定していた世界戦の前日計量をウイルス性胃腸炎のために欠席し試合が中止に。タイトル戦は今年4月に英国で再設定されたが、減量目的によるサウナの使用が英国ボクシング管理委員会の医療ガイドラインに違反し試合が中止となり、後日、WBOから王座をはく奪された。
地元メディア「GMANEWS」は、「カシメロは現時点で井上尚弥を忘れるべきだ」などとのタイトルで記事を公開し、フィリピンのボクシングアナリストであるエド・トレンティーノ氏の見解を伝えた。
「次戦に井上戦が来る可能性は低い」
トレンティーノ氏は、世界バンタム級3団体統一王者である井上尚弥(大橋、29)との対戦を追うよりもカシメロはキャリアの復活に集中するべきだと主張。復帰戦となった赤穂戦はノーコンテストに終わったために台無しになったとし、「次戦に井上戦が来る可能性は低く、カシメロは振り出しに戻った」との見解を示した。
さらに「カシメロは彼のキャリアを悩ませている質問にまだ答えていない。彼は集中力を保ってリングに戻らなければならない。カシメロは井上のことは忘れて、昔のカシメロを復活させることに集中すべきだ」と続けた。
カシメロはバンタム級王者時代に対抗団体王者・井上との対戦を要望し、再三にわたり井上を挑発してきた。赤穂との対戦が決まった後にも「次は井上とやりたい。いつも逃げられているから」などと挑発した。
井上は12月13日に東京・有明アリーナでWBO世界バンタム級王者ポール・バトラー(英国、34)と世界4団体王座統一戦を行う。
Wow, what an upset! ??
— Boxing on BT Sport ?? (@BTSportBoxing) November 30, 2019
Johnriel Casimero stops Zolani Tete in the third round!
A huge shot put him down and the South African never recovered!#MidlandsMayhem pic.twitter.com/B4mp5wUSKI