戦力外通告で「気持ち楽に」 相次ぐケガ、自律神経失調症...元中日の26歳がプロで味わった「苦しみ」

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日本球界のメンタルケア「まだまだ遅れている」

   プロ時代は悩みをあまり周囲に打ち明けてこなかった滝野さん。中日を退団した今、野球界に対して感じたことがある。選手が抱えるメンタルの悩みへの理解の少なさだ。

「日本の野球界は、選手のメンタル面への理解がまだまだ遅れていると思います。プロ野球は大きなストレスがかかる世界。自分の他にも、メンタル面の悩みを抱えている選手は多いと聞いています。でも『メンタルの悩みを言ったら弱いと思われてしまう』と思って、何も言わないようにしている選手がほとんどではないでしょうか。実際に『悩みを吐く選手は弱い』と捉えられてしまう風潮はあると思います」
「メジャー経験のある川崎さんからは『海外ではメンタルに悩む選手たちがいっぱいいて、精神安定剤を服用したり、緊張するからといって薬を飲んで試合に行ったり、そういうケースも普通にあるよ』と聞きました。そこは日本と全然違うなと思いました」

   滝野さんの動画に寄せられるコメントには、同じ自律神経失調症を患う人からの励ましの声が目立つ。

「応援してくれているコメントや、僕の動画を見て『元気もらってます』と言って下さることはありがたく、僕にとっての励みにもなっています。心の病気は目に見えないので、なかなか周囲に分かってくれる人がいません。僕自身も治ったわけではないですし、まだ調子がいいとき、悪いときの差はあります。これからも症状と戦いながら、せめて元気のいいところだけでも見せられればいいかなと思います」

   中日退団後はYouTube上の活動だけでなく、学校の講演会やイベントにも呼ばれている滝野さん。「本当に野球しかしてこなかったので、いろいろやりたいことがあります。いろいろ勉強をしたいです。毎日毎日、生きているだけで勉強です。自分の活動を通じて、誰かに何かを思ってもらえる存在であれたらいいなと思っています」

   11月26日、滝野さんは名古屋の社会人野球チーム「BLITZ」に所属することをYouTubeで表明した。「現役続行」を決めたのは、「野球で燃え尽きたい」という思いからだった。

「野球で完全燃焼していない。燃え尽きていない。将来高校野球の監督を目指しているんですけど、このままだとまだ理想像に追いつかない。野球を、燃え尽きるまでさせていただいて、将来の選手の育成に、色々な経験を活かせて行けたらいいなと思っています」

(J-CASTニュース記者 佐藤庄之介)

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