戦力外通告で「気持ち楽に」 相次ぐケガ、自律神経失調症...元中日の26歳がプロで味わった「苦しみ」

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戦力外通告→即YouTubeデビュー

   自身の精神的な不調を周囲に打ち明けることは「ほとんどしてこなかった」という滝野さん。与田監督から立浪和義監督に変わった22年は、打率3割をマークするも、出場試合数は前年の3分の1以下となる11試合に終わった。

   10月3日、球団から電話で連絡があり、翌日球団事務所で戦力外通告を受けた。「9月の2軍の試合の使われ方で、ある程度覚悟はしていた」という。胸中は、精神的な不調に苦しんだプロ生活からの解放感に満ちていた。

「プロ野球に入りたいという人が多い中で、こんなことを言うのは失礼かもしれませんが、これで毎日朝起きなくていい、ようやく楽に過ごせるという気持ちになりました」

   そして、滝野さんは驚きの行動を見せる。球団から戦力外通告を受けた日の様子を動画に収め、その日のうちに始めたばかりのYouTubeチャンネルに投稿したのだ。

「現役時代からうっすらとですが、YouTubeをやってみたいと考えていました。ただ、自分の名前はドラゴンズファンの一部にしか知られていない。戦力外通告当日に動き出さないと、多くの人に知ってもらう機会を逃してしまうと思い、球団から連絡があった前日に動画を撮ることを決めました」

   ねらいは当たり、初投稿の動画はいきなり80万回再生を記録。メディアにも活動が取り上げられ、野球ファンの間で話題を呼んだ。その後はラーメン店のメニュー開発やパン屋の1日店長企画など、「元プロ選手」の顔を活かした幅広いジャンルの動画を投稿し、精力的に活動を続けている。

   そして、自律神経のバランスが乱れる「自律神経失調症」を患っていることも積極的に発信。同じ自律神経の不調などで18年に福岡ソフトバンクホークスを退団した川崎宗則選手(栃木ゴールデンブレーブス)とのキャッチボールや対談動画も投稿した。

「僕の精神の調子が悪かった21年8月頃、球団関係者の方に川崎さんを紹介してもらいました。今年1月には一緒に自主トレをしてお世話になりました。全然関係ないチームの選手なのに、本気で心配してくれたり、自分の事を考えてくれたり、僕の中では師匠みたいな存在です。今後も一緒に何かをさせてもらえる機会があれば嬉しいです」
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