コロナ禍&ウクライナ侵攻で「偽情報」深刻化 欧州にみるファクトチェックの協力関係

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約30のファクトチェック団体を束ねて検証記事を1700本以上出稿

   柱は大きく(1)偽情報を拡散させるサイトを非収益化(ディマネタイズ)させる(2)政治広告とそれ以外を区別しやすくする(3)なりすましやボット(自動投稿プログラム)に対する対策を強化する(4)ユーザーのメディアリテラシーを高める取り組みを行い、偽情報を認識させて信頼できる情報源へ誘導する(5)研究者がプラットフォーム事業者のデータにアクセスし、偽情報のメカニズムを解明できるようにする(6)欧州全域をファクトチェックの対象にし、プラットフォーム事業者に対してファクトチェックの利用拡大を促す(7)行動規範の実施状況を市民に知らせる(8)行動規範が順守されているかを監視するフレームワークを設ける、の8つ。44件のコミットメント、128件の対策が盛り込まれており、シグナトリーは半年以内にコミットメントを満たして対策を導入することが求められている。

   EDMOのミゲル・マデューロ会長によると、「ロシアには、ファクトチェック組織とされつつ、ファクトチェックではなく偽情報を流す者も現れた」。行動規範の実効性を確保することで、こういった団体に対応したい考えだ。

   ロシアのウクライナ侵攻をめぐっては、タスクフォースを結成し、1700本以上の検証記事を出稿。英語で記事を作成、欧州内の各国語に翻訳する取り組みも進めている。

   課題となるのが、活動に必要な資金の調達だ。設立時に、行動規範の改定作業をEUから250万ユーロ(3億6000万円)で受託したほか、グーグルが5年間で総額2500万ユーロ(36億円)を、母体の欧州大学院(EUI)などでつくる「欧州メディア情報(EMI)基金」に支出することを決めている。ファクトチェック、メディアリテラシー、研究プロジェクトの3分野に配分する。EUやグーグルが意思決定に関わらない体制にするなどして、独立性を確保していると説明している。

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