W杯日本代表にも使われた「戦犯」 元の意味と異なるが...一体いつから?専門家に聞く用法の拡大

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「スポーツで『戦犯』と言うことは十数年前から把握しておりました」

   まず、飯間氏は「戦犯」の用例について以下のように解説した。

「スポーツで負けた原因を作った人を『戦犯』と呼ぶことは多いですが、私の携わる『三省堂国語辞典』では2014年の第7版からこの意味を載せています。さらにその前、2008年の第6版では、『A級』という項目に『チーム敗北のA級戦犯』という例を入れています。ですから、スポーツで『戦犯』と言うことは十数年前から把握していたわけです」

   飯間氏はそのような用法は2000年以前から存在したと指摘しつつ、用法はスポーツに留まらないと指摘する。

「20世紀の文献を見てみましょう。1997年の雑誌にはテロ事件を防げなかった責任者を『戦犯』、1988年の本にはカタカナ言葉を広めた百貨店が『戦犯ものです』と記されています。スポーツに限らず、責任者を非難して『戦犯』と言っていたんですね」

   飯間氏は本来の意味とは違う用法で使われ始めた時期について、次の見解を示した。

「過去の雑誌のデータベースを見ますと、1980年代に責任者の意味の『戦犯』はけっこう使われています。たとえば、『週刊サンケイ』1982年10月28日に〈『戦犯は誰だ!』 巨人主力選手の勤務評定〉という記事が出ています。このあたりが、私が確認できる中では古い例です。さらにずっと前の時代には、『戦犯』は『戦争犯罪人』という元の意味の印象が強く、『敗北・失敗の責任者』という意味では使いにくかったのではないでしょうか」

(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)

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