韓国メディア、W杯運営の「不手際」痛烈批判 「最後までまともな通訳を聞くことができなかった」

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   韓国メディアがサッカーワールドカップ(W杯)カタール大会組織委員会の通訳をめぐるずさんな対応を批判した。

   スポーツメディア「スポーツソウル」(WEB版)は2022年12月6日にW杯カタール大会を総括する特集記事を公開した。記事では大会期間中に行われた記者会見における韓国代表通訳の「誤訳」問題に言及し、組織委員会の不手際を指摘した。

  • 韓国代表ベント監督(写真:ロイター/アフロ)
    韓国代表ベント監督(写真:ロイター/アフロ)
  • 韓国代表ベント監督(写真:ロイター/アフロ)

誤訳は韓国メディアに大きな混乱をもたらした

   同メディアは大会期間中に2度の「誤訳」があったと主張した。最初の「誤訳」はグループステージ第2戦目のガーナ戦を翌日に控えた11月27日に起きた。

   韓国はグループステージ初戦のウルグアイ戦を0-0で引き分けた。第3戦が優勝候補ポルトガルということもあり、第2戦のガーナ戦はなんとしても勝ち点が必要な状況だった。

   このような背景のもと行われた会見で、韓国代表のパウロ・ベント監督(53)が守備の要であるDFキム・ミンジェ(26)の出場可否について言及。記事によると、ベント監督の通訳を務めた人物は「明日はキム・ミンジェの出場は難しい」と伝えたという。

   会見はそのまま進行していったが、他の質問で通訳の違和感を覚えたベント監督が当惑し、メディアの要請により当初のポルトガル語から英語でのコメントに切り替えた。そして「キム・ミンジェの出場はまだ分からない。明日までに状況を見て決める」と改めてキムの状態を説明した。

   通訳によるこの「誤訳」は、韓国メディアに大きな混乱をもたらしたという。

   結局キムは28日のガーナ戦に先発出場したものの、チームは激闘の末2-3で敗れた。

「組織委員会のずさんさを指摘せざるを得ない」

   事態を重く見た韓国サッカー協会(KFA)は大会組織委員会に対して再発防止を要請。ところが12月6日に2度目の「誤訳」騒動が起きた。

   韓国は6日に行われた決勝トーナメント1回戦でブラジルに1-4で大敗した。試合後の会見ではベント監督の去就に関する質問が飛び、当初通訳は「まだ去就を決めていない。休息を取った後に選択する」と訳したという。

   会見終了後、ベント監督の通訳がまともになされていなかったと判断したKFA広報担当者が通訳に訂正を求め、通訳が改めてコメントを発表する事態に発展した。

   新たに発表された通訳コメントによると、ベント監督は「韓国との旅は今日を最後に終える。9月から考えていた。今日会長とも面談したし選手たちとも話をした。再確認する場だった。休みながらリフレッシュするつもりだ。その後、去就を選択する予定だ」と述べたという。

   このようなやりとりがなされた後、韓国メディアがKFA広報担当者に「ベント監督は再契約を断ったのか?」との質問を投げた。広報担当者がこの事実を認めたため韓国メディアは一斉にベント監督の退任を報じた。

   「スポーツソウル」は、一連の「誤訳」騒動を振り返り、「結局、最後までまともな通訳を聞くことができなかった」とし、「ワールドカップという大きな舞台でこのようなことが2度も起きたことは、組織委員会のずさんさを指摘せざるを得ない」と批判的な論調で締めくくった。

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