ゲーム用のトレーディングカードは、価値が上がって高額で取り引きされており、それに伴って窃盗被害が全国各地で相次いでいる。
東京都町田市内のカード店では、ショーケースのガラスが無残に割られ、カードが大量に盗まれた。店のツイッターでは、「#うちで最後に...」と悲痛な訴えにハッシュタグを付け、拡散を呼びかけている。
「人間なら 人の痛みも理解しよう」と犯人に呼びかけるが...
カードを並べた陳列棚のガラスが割られ、上の方が根こそぎなくなっている。店のショーケースやフロアは、ガラスの破片が散乱しており、無残な光景だ。
この写真3枚は、町田市内のカード店「CowCowLuca(カウカウ ルカ)町田店」の公式ツイッターが2022年12月5日に投稿した。
投稿によると、店が空き巣に入られ、年末年始の企画や店の1周年記念イベントで用意していたカードが軒並みなくなった。防犯カメラなどの映像には、複数人の姿が映っており、警察や警備会社が盗んだ人たちの足取りを追っている。通販などは続けるものの、事後処理と警察の捜査があるため、店は当面休業するという。「人間なら 人の痛みも理解しよう...」と犯人に呼びかけるも、「しばらくそっとしといて下さい」とショックが隠し切れない様子だった。
店の空き巣被害は、テレビのニュースでも次々に報じられている。
それらの報道によると、5日未明3時44分に警備会社から警察に通報があり、被害が分かった。店では、ポケモンカード、ワンピースカード、遊戯王カードを取り扱っていたが、最近高騰しているポケモンカードばかり約100枚が盗まれた。左上から価格の高い順に並んでおり、そこだけきれいに抜き取られていたという。中には1枚70~80万円ほどの高額で取り引きされるカードも含まれており、被害総額は1000万円前後に上るとみられている。警視庁は窃盗事件として捜査している。
「価値は宝石店の宝石と変わらんよな」「早く犯人捕まってほしい」
トレーディングカードの被害は後を絶たないが、最近は、特に人気が出ているポケモンカードが狙われ、高額で転売されるなどしているようだ。
メディアの報道によると、21年9月には、大阪市内のカード店で価値の高いレアカードを含めポケモンカードなど8枚2万円相当が盗まれた。店が被害届を提出し、警察が窃盗事件として捜査している。
また、22年2月には、ポケモンカードを繰り返し万引きしたとして、無職の20代の男が窃盗の疑いで兵庫県警に逮捕されている。被害は、兵庫や大阪など8都府県で77枚720万円相当に上るといい、1枚44万円するカードも含まれていた。容疑者の男は、「転売して生活費にした」と容疑を認めたという。
さらに、同年9月には、派遣社員の30代の男がポケモンカードのカード約200枚4万円相当を盗んだとして静岡県警に逮捕されている。店内の防犯カメラの映像などから犯行を特定したとされている。
今回、またカードの窃盗が明るみに出て、ネット上では、「最近カードショップの空き巣多くない?」「価値は宝石店の宝石と変わらんよな」「早く犯人捕まってほしい」などと心配する声が相次いでいる。
カウカウ ルカ町田店の店長は12月5日、J-CASTニュースの取材に対し、「お店の整理などで手が回らず、ツイート以上の説明はできない状況です」と話した。警視庁の広報課は同日、「発表している事案ではないので、対応はできません」と取材に答えた。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)