「信用」は人間関係で最も大事な要素の一つ。Twitterでは「信用できない人、できる人」に関するさまざまな体験談が拡散されています。
過去に話題になった事例を比較すると、人がどんなシーンで他人への信用の度合いを判断しているかがなんとなく見えてきます。ツイートまとめサービスのTogetter(トゥギャッター)がその一部をご紹介します。
人柄がいいと思っていた人が店員の前で豹変したら
相手が何気なく取った行為を見て「信用できない人だと感じた」という話はたびたび注目されます。
漫画家の橋本ナオキさんが、「毎日でぶどり」シリーズのアカウントに投稿した漫画が共感を呼びました。「信頼が崩れるとき」をテーマにした内容です。
漫画は、カフェでコーヒーメーカーの営業を受けているシチュエーションから始まります。営業担当者の真摯な対応と良い人柄をみて契約を決めようとしたものの、営業担当者がカフェの店員に対して横柄な態度を取っている姿を見て結局契約を止めてしまった、というオチです。
すごく丁寧な営業さんだから契約しちゃおっかな→ある一瞬の出来事で信頼が崩れ去る話「あるある」「直すのは大変な時間がかかる」- Togetter
相手の人柄が時と場合によって豹変することが分かってしまうと、一気に信用しがたくなってしまうものです。同じように、取り繕うことができる表面的な部分だけで相手を信用してはいけない、と思える例があります。
経営者の米村歩さんは、数々の採用面接に携わってきた経験から「人の熱意は信じてはいけない」ことがわかった、とツイートしています。理由は「言葉は簡単に偽装できるから」。それよりも、その人が何をしてきたかが分かる実績を見るべきだというのです。
起業して13年、多くの人と面接し採用してきて分かった事がとてもためになる「逆も然り」「言葉は簡単に偽装できる」など様々な意見- Togetter
米村さんの見解に対し「熱意を先に語る人は信用しません」「尊重すべきものと信用すべきものを混ぜてはいけない」など、同意の声が集まりました。
熱意はもちろん大事ですが、中身を伴っていないとかえって信用を失うことにつながりかねないと分かります。
悪口を言わない人は信用できない?
また、一般に「美徳」とされている行為が信頼関係づくりにあってはネガティブに働く例もあります。
トークバラエティ番組『マツコ&有吉 かりそめ天国(テレビ朝日系)』の2018年の放送で、「人の悪口を言わない人が信用できない」という悩みが取り上げられ、反響を呼びました。
出演者のマツコ・デラックスさんは、悩みに対して「人間は悪口を言うために口があるのよ」「いいのよ、人は悪口を言う生き物」と寄り添う姿勢を示しました。
人の悪口を言わない人は信用できない? マツコさん「人間は悪口を言うために口がある」#かりそめ天国- Togetter
番組を見たTwitterユーザーからは、「(悪口を言わない人は)腹の中で何考えているかわからない」「信用していない人の前では悪口は言わない」といった声があがりました。
悪口を言う行為そのものが悪徳であることは疑いの余地もありませんが、「悪口がまったくないとそれはそれで不安」になってしまう。人に対する信用が、複雑なバランスで成り立っているとわかる話です。
保育園の先生が漏らした本音に信頼感
それでは「この人なら信用できる」と思えるのはどんな時なのでしょうか。重要なポイントの一つに「ポロリと出た本音」がありそうです。
仕事を頼んだとき「がんばります!」と言うITエンジニアより、「めんどくせーな」と答える人のほうがまだ信頼できる。そんなツイートが反響を呼びました。
ITエンジニアは何か頼むと「めんどくせーな」と言い出す方が信頼できます。「頑張ります!」と言う奴ほどバックれます- Togetter
ツイートの投稿者によると、「めんどくせーな」と返答をする人よりも、むしろ「がんばります!」とポジティブに依頼を受ける人のほうが仕事を投げ出す可能性が高いのだとか。
この投稿に対して、「めんどくせーな」の一言は依頼の段階で「工数の目途が立っている」からこそ出てくる言葉では、とコメントする人もいました。
一見ネガティブな本音の裏にも、確かな経験への信用がにじむことがあるのですね。
似たような話で、あるTwitterユーザーが、保育園の先生から「正直な本音」を打ち明けられたことで、かえって信頼感を持てたという体験談が拡散されました。
その人は保育園での息子さんについて、先生から「優しい先生のほうにしか行かず、私のところには来てくれなくて悲しい」と打ち明けられました。先生に「(気持ちを)正直に言ってくださって大丈夫です」と促すと、先生は「少々腹立ちますね」と一言。
この先生信頼できると思った保育園の先生との会話「息子くん、厳しい先生のところには来てくれなくて...少々腹立ちますね」- Togetter
この一言を受けて、投稿者は「この先生...信頼できる...」と思ったようです。実際に、その先生は息子さんが行き過ぎたことをしたときに「しっかり叱ってくれた」といい、感謝の気持ちを発信しています。
多くの人が、「信用は長年かけてコツコツと築いていくもの」だという認識を持っていることでしょう。
いっぽうで、Twitterで話題になる信用に関わるエピソードを見ると、人が相手への信用の根拠を一瞬で判断するケースも少なくないことが分かります。ほんの小さなポイントで、相手からの評価ががらりと変わる可能性があると考えると、ちょっと怖くなりますね。
Twitterの事例をたどると、良好な信頼関係づくりのヒントを得ることができそうです。
以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド出張版」でした。今回紹介したTogetterまとめを振り返りたい方はこちらからどうぞ。次回もお楽しみに。
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